『ライオン・キング』といえば、1994年の映画でエルトン・ジョンが作曲し、ティム・ライスが作詞を担当した「Can You Feel the Love Tonight」や「Circle of Life」などが有名。全体の音楽はハンス・ジマー(『グラディエーター』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ)によって作曲された。
ミランダは「僕が『ライオン・キング』を初めて知ったのは映画ではなく、その予告編でした」と振り返る。
「それは普通の予告編ではなく、映画の最初の4分間でした。赤い朝日が昇り、『♪ナアアア〜』という声が響き、『Circle of Life』が流れました。そして画面が黒くなり、『ライオン・キング』と表示されたのです。それは映画史上最も成功したマーケティングだと思います。『これが最初の4分間です。続きは映画館で』という感じでした。それでみんな、『続きを見なくては』と思ったのです。
「ブロードウェイ版はアフリカやアフリカン・ディアスポラ(故郷や祖先の地であるアフリカを離れて暮らす人やコミュニティー)の音楽を加えてオリジナル映画を見事に発展させたと思います。レボ・Mとマーク・マンシーナが手がけた『He Lives In You』は、オリジナル映画にあったと勘違いされることが多いのですが、実は舞台版のために作られた楽曲です。彼らの協力が得られれば、自分が求める音楽を『ライオン・キング』の世界になじませられると思いました。それが作品を手がける上で“イエス”と答えた理由の一つです。彼らと一緒に仕事ができたことを誇りに思います」。