2代目山の神・柏原竜二
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新春恒例スポーツ特番『★SAPPORO新春スポーツスペシャル 第101回箱根駅伝』(2日・3日午前7時~生中継※ほか関連番組あり)が2日放送され、青山学院大学が2年連続7回目の往路優勝を飾った。SNSでは、新たな“山の〇〇”が大きな話題となっている。
【動画あり】箱根の山の“難関”も解決へ!華麗に追い抜く早稲田大学“山の名探偵”工藤慎作
過去幾度となくハイライトとなってきた5区の“山登り”で、今年も悲喜こもごものドラマが生まれた。その立役者は、さまざまな“異名”で呼ばれることが多いが、近年特に、その名称が多様性に富んでいる。そもそも、箱根駅伝ならではの特殊区間である5区は、トラック・ロードで強い選手でも結果を残せないケースもあり、その専門性からかつては「山登りのスペシャリスト」とひとくくりに呼ばれることが多かった。
そんな“異名”の歴史をスタートさせたと言っても過言ではないのが、初代「山の神」である順天堂大学の今井正人。その圧倒的な強さから、日本テレビ・河村亮アナウンサー(享年54)が、実況で「山の神」というワードを使ったことが始まりとされている。その後「山の神」は、東洋大学の柏原竜二が「山の神童」を経て、2代目を襲名。さらに青学大の神野大地が3代目を引き継いだ。なお現代になって、今井よりも前の時代に5区で圧倒的な強さを誇った大東文化大学の大久保初男を“元祖山の神”と呼ぶケースもある。
一方で近年、この“神”の領域まで達しないと謙遜しつつも、5区に適性をみせ、強さを見せている選手にさまざまな“異名”が付けられている。昨年卒業した城西大学の山本唯翔は、山道を軽快に進んでいく様子から櫛部静二監督に「山の妖精」と名付けられ、4年時に区間新記録を更新。
また今大会でも、5区区間新記録の力走で逆転し、チームを往路優勝に導いた若林宏樹(4年)は、原晋監督が「若の神」と命名。また、早稲田大学を往路3位まで押し上げた工藤慎作(2年)は、マンガ・アニメ『名探偵コナン』【※】に登場する高校生探偵・工藤新一と名前が似ており、しかも主人公・江戸川コナン同様にメガネをかけていることから、昨年から「山の名探偵」と話題に。今年もゴールする際、左手を前に突き出し、『名探偵コナン』の「真実はいつも一つ」のポーズをしながらゴールテープを切るなど大きなインパクトを残し、Xでトレンド1位を獲得した。
「山の神」「山の神童」のように、中継の実況アナウンサーの発信から広まるもの、「若の神」「山の妖精」「山の名探偵」など自チームの監督の発信がメディアを通じて拡散されるものなど、その広がり方はさまざま。「山の神」は、「チームが逆転で優勝」「ごぼう抜き・区間新など圧倒的な記録」など厳しい条件が求められるとされているが、そこに及ばずとも5区適正をもった強い選手が、今後もさまざまな“異名”を冠して、箱根路を駆け抜けていきそうだ。
【※】『名探偵コナン』は、黒ずくめの男らに毒薬を飲まされて子どもの姿になってしまった、主人公の高校生探偵・工藤新一が江戸川コナンと名乗り、黒ずくめの組織を追いながら数々の難事件を解決していく推理漫画が原作。1994年から『週刊少年サンデー』で連載がスタートし、96年にテレビアニメ、97年に劇場版アニメが開始し現在までシリーズが続く、国民的人気作品となっている。
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