2027年に創立150周年を迎える東京大学
東京大学は10日、授業料の「値上げ」について公式ホームページで声明を発表。報道を機に憶測が飛び交っている状況について、改めて現状を説明した。
【画像】東大の“値上げ”報道の声明(コメント全文)
授業料の値上げについて、学内では学生から抗議の声が上がっていることなどが報じられている。発表で同大学は「現在、本学の授業料に関するさまざまな報道がなされています」とし、「すでに『決定』されたかのような不正確な情報もありますので、本学での検討状況について、あらためてお伝えしたいと思います」と声明発表の経緯を伝えた。
発表は、「東京大学では、これまでUTokyo Compassで掲げた理念にもとづき、ダイバーシティ&インクルージョンの実現、情報活用環境の高度化をはじめ、教育研究環境の充実に努めてきました」と説明。あわせて「国からの運営費交付金や授業料収入など、限られた財源を活用して、教育研究環境の充実に加え、設備老朽化、物価上昇や光熱費等の諸費用の高騰、人件費の増大などに対応せねばなりません」とし、「学生の学習環境を維持・改善する費用を安定的に確保するため、過去3年にわたりさまざまな施策に取り組んできました」とコメントした。
「そうしたなかで国立大学法人化以降20年間据え置いてきた授業料についても、その改定を検討しています」と、値上げについて触れつつ「ただし、もし値上げをする場合には、経済的困難を抱える学生への配慮は不可欠で、授業料免除の拡充や奨学金の充実などの支援策も併せて実施しなければならないと考えており、その具体的な仕組みも検討しています」と説明。
「今月に予定されている学生のみなさんとの総長対話などをはじめ、東京大学のありかたをめぐる学内外からのさまざまな意見にも耳を傾け、大学の将来のために、いまなにを具体的にすべきかを慎重に見きわめていきます」とし、「検討案もそうした対話のなかでお示し、みなさんと共有します。そして、東京大学として決定した方針については速やかに公表する予定です」と締めくくった。
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