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【久留米高専】15歳からの高専生が鉄づくりの技術を競う第二回高専マテリアルコンテストを開催します!

独立行政法人国立高等専門学校機構
~鉄づくりの原点をみんなで楽しむ~


高専マテリアルコンテストバナー

マテリアルコンテストの概要
 久留米工業高等専門学校(福岡県久留米市、校長:松村 晶 以下「久留米高専」)では、2025年3月11日・12日に「第二回高専マテリアルコンテスト」を開催します。本コンテストは、高専生が「鉄の強靭化と弱靱化」をテーマに、材料科学の奥深さと技術の粋を競うもので、佐世保工業高等専門学校(以下「佐世保高専」)、鈴鹿工業高等専門学校及び群馬工業高等専門学校(以下「群馬高専」)が参加した初回大会では、各チームの熱意と創意工夫で盛況に終わりました。本年度は群馬高専、佐世保高専に加えて新たに鹿児島工業高等専門学校及び奈良工業高等専門学校の2校が加わり、参加校が5校に拡大し、更なる盛り上がりを期待しています。今後は参加校の更なる増加を目指し、ロボットコンテストやプログラミングコンテストに続く全国的な高専コンテストとしての発展を計画しています。

背景と目的
 日本のものづくりを支える技術者育成に重要な役割を果たしてきた高専教育は、実験実習と専門教育を融合した「ものづくり教育」に加え、創造性と技術の向上を目的とした各種コンテストにより充実がはかられています。ロボットやプログラミングの分野に続き、本コンテストは材料科学・工学に焦点を当て、鉄の強靭化と弱靭化に取り組むことで、高専生が実験的思考と創造力を養うことを目指しています。
 コンテストのテーマ「鉄の強靭化と弱靭化」は、日本の基幹産業である鉄鋼が持つ特異な性質に基づき、学生たちが材料工学の知見を駆使し、実際に衝撃に強い鉄と弱い鉄の加工熱処理に挑戦します。素材特性を理解するには物質に加える熱処理や鍛造などの技術と知識を要する一方で、外観からはその変化を判別できないため、多くの試行錯誤と創造的な発想が必要です。加えて、本コンテストを通じて、将来の基幹産業を担う人材を発掘と育成することも重要な目的としています。鉄鋼業においてもカーボンニュートラルの推進が求められています。カーボンニュートラルにも大きく貢献するこの分野においても、少子高齢化が進む中での人材確保と人材育成は課題です。そこで先人たちが抱いた純粋で根源的なものづくりの芽である材料とその加工技術への疑問と好奇心を、若い世代の高専生に感じてもらうべく、昨年に引き続きコンテストを企画しました。
 高専生が技術の実際に触れながら、新たな発見に喜び、成長していく姿をぜひご期待ください。

マテリアルコンテストキックオフイベントの様子
 2024年9月12日(木)・13日(金)、群馬高専で「マテリアルコンテスト キックオフイベント」が開催されました。キックオフイベントではコンテストの試行錯誤に向けた準備と高専を超えた学生交流を目的とした2日間にわたるプログラム(旋盤加工実習、群馬高専見学、座屈試験体験、グループワーク)が実施されました。
 旋盤加工実習では、未経験者も安心して挑戦できるよう丁寧な指導が行われ、「加工技術を学びながら楽しく取り組めた」と好評でした。群馬高専見学では3Dプリンターや3Dスキャナーなど、群馬高専ならではの先進設備に見学者から驚きの声が上がりました。座屈試験や試験片観察の体験では、「き裂の入り方の違いが面白い」「専門的な知見が深まった」との声が多く、学生たちの学びにつながりました。
 また、昨年のマテリアルコンテスト参加者による昨年度の取り組みに関するプレゼンテーションも実施され、「具体的な作業の進め方の参考になった」と今年の参加者からの意見が寄せられました。さらに、12日懇親会では他高専の学生や先生との交流が活発に行われ、13日に催されたグループワークの充実にもつながりました。「他高専の学生との意見交換が楽しかった」との感想も多く、和やかな雰囲気の中で終了しました。3月の本番に向け、学生たちの挑戦が始まりました。

左:座屈試験用の試験片を製作するため、旋盤加工に挑戦する1年生の女子学生                    右:自身で加工した試験片の座屈破壊試験の様子をハイスピードカメラで撮影する5年生男子学生


マテリアルコンテストのスケジュール
・2024年9月12日・13日:キックオフイベント(群馬高専)
各校の高専生と指導教員による自己紹介、群馬高専見学、旋盤を用いた鉄の加工座屈試験
体験、学生による昨年度の取組み発表、実験テーマ攻略に向けたディスカッション

・2024年10月20日:鉄丸棒の配布
久留米高専から全参加高専に、同一化学組成の鉄丸棒を配布

左:本年度の加工熱処理のアイデア出しのためプレゼンテーションをする昨年度のマテリアルコンテストを経験した2年生学生    右:4グループに分かれて今後の加工熱処理のアイデアを検討し、発表する様子

・2024年11月1日:中間発表(久留米シティプラザ・KOSEN水素フォーラム2024inKURUMEにて)
有志による進捗発表と共有および有識者との意見交換

・2024年11月~2025年3月上旬:材料加工および強靭化・弱靱化のための取組み
各チームが鍛造や熱処理を駆使して配布された鉄丸棒の強靭化と弱靱化を進める

左:鉄を加熱後、冷やし方を工夫して強靭化・弱靱化をはかる1年生学生                        右:熱処理後の特性をはかるため、シャルピー衝撃試験機をする2年生学生

・2025年3月11日・12日:マテリアルコンテストおよび交流会(久留米高専)
各チームが鉄の強靭化・弱靱化の工夫をプレゼンテーションし、シャルピー衝撃試験を通じて耐衝撃性を測定
外部有識者による評価を行い、優勝チームを決定

 また、鍛造実習や高専見学など学外の方にも楽しんでいただけるイベントをご準備していますので、人数に限りはございますが、皆様のご参加をお待ちしております。

左:交流会にて久留米高専の松村校長が久留米高専学生を参加者へ紹介する様子                    右:2024年3月のマテリアルコンテストでシャルピー衝撃試験する当時5年生の学生


【久留米工業高等専門学校について】
 久留米工業高等専門学校は、実り豊かな筑後平野を悠々と流れる九州一の大河である筑後川と宝満川が合流するほとりに位置しています。ここ久留米市小森野の地には、今から80年以上前の1939年に、我が国の発展を担う技術者の育成を目的にその前年に創立された、旧制久留米高等工業学校が建てられました。その後時代と共に変遷をたどり、1964年に、中学校卒業後の5年間で実践的・創造的技術者を養成する高等教育機関として制定された高等専門学校の第3期校として、本校は設立されて現在に至っています。1966年3月に全国の高専で初めて卒業生を輩出して以来、本校の卒業生は1万余名に及び、国内外において優れた創造的なエンジニア、研究者や社会人として各方面で活躍しています。
 本校は5年課程の本科に、機械工学、電気電子工学、制御情報工学、生物応用化学、材料システム工学の5学科を配しており、そこでは、大学受験で中断されることなく一貫した専門教育とともに人格形成に資する幅広い教養教育を行なっています。

久留米高専外観

学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 久留米工業高等専門学校
所在地:福岡県久留米市小森野1-1-1
校長名:松村 晶
設立:1939年
URL:https://www.kurume-nct.ac.jp

【参加申し込みに関する問い合わせ先】
久留米工業高等専門学校
マテリアルコンテスト担当窓口 大笹、田中
TEL:0942-35-9470、9361(平日 9:00-16:00)
e-mail:ozasa_093@kurume.kosen-ac.jp、tanaka_192@kurume-nct.ac.jp
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