• デジタル主権と新たな局面にある地政学的エネルギー情勢は、デジタル変革とエネルギー移行の今後を形作る
• 地政学的情勢やそれによる影響について洞察を持つことは、経営者が今後の変革に自信を持って取り組むために重要
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)で戦略コンサルティングサービスを提供するEYパルテノンは、地政学が今後1年間で世界の市場にどのような機会と課題をもたらすかについて考察する最新のレポート「2025 Geostrategic Outlook(2025年に予想される地政学的動向トップ10)」(以下 本レポート)を発表しました。
2024年は、「世界的な選挙イヤー」により、政治的および政策的な不確実性が目立つ1年でした。EYでは、2025年に世界的な潮流を形作る3つの主要テーマを特定しました。
第一に、選挙後の政治指導者は選挙戦から統治へと焦点を移し、これにより世界中の政策や規制が変化する可能性があります。第二に、各国政府が経済上の優位性・競争力および経済主権を確保するために保護的な政策を強化する可能性が高まり、特に、デジタル技術と気候技術が注目されることが予測されます。第三に、地政学的競争が激化する中で、各国が独自の外交政策やビジネスルールを作るため、クロスボーダービジネス活動と両立し得ない基準やシステムなどが制定され、グローバル経済をさらに複雑化させます。地政学的情勢はグローバリゼーションの方向を変えることになり、企業の原料や製品の調達先、投資先や売却先が限定される可能性があります。
<3つの主要テーマと2025年地政学的動向トップ10>
【表:
https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M101776/202412232166/_prw_PT1fl_feCE1RlU.png】
2025年に予想される地政学的動向トップ10がセクターに及ぼすと考えられる影響は以下の通りです。
●消費財・ヘルスケア
各国政府が気候変動や人口動態、デジタル変革に対応する中での政策立案・政策変更は、消費財とヘルスケア分野にわたって企業に影響を及ぼします。また税制改正も企業の財務状態や成長見通しに影響を及ぼすと考えられます。経営者は、政策の変化が消費者の嗜好(しこう)に対しどのように影響するかを評価し、結果を長期戦略に反映させることが推奨されます。
●金融サービス
地政学的な競争は、金融サービス機関のグローバルなフットプリント、企業戦略、変革アジェンダにリスクをもたらします。また、規制環境がますます複雑化する傾向は、今後続く可能性が高いです。経営者は、事業運営する各地域における規制順守状況とコンプライアンス、中でもAI分野について、念入りに確認することが重要です。
●パブリックセクター(政府・公共サービス)
課税に関する難題は、不動産企業や建設会社への資金の流動性に大きく影響を及ぼすと考えられます。脱炭素化や持続可能なケアエコノミー(介護、福祉や看護)の確立など、戦略的変革のコストをどのように調達するかは、多くの政府にとって切実な問題です。
●製造業・エネルギー
各国政府は、引き続き、炭化水素、金属、グリーンテクノロジーなどを戦略的な製品として、産業政策の対象とするものと考えられます。経営者は、新たな局面にある地政学的エネルギー情勢と気候政策による変革が、産業全体の市場需要やビジネスモデルにいかに影響を及ぼすかについて、考慮することが望ましいです。
●プライベートエクイティ
プライベートエクイティによる地政学的情勢へのエクスポージャーのほとんどは、ポートフォリオ企業のレベルで生じます。人口動態の分断は、資金調達プロセスと資本源を変え得るものであると同時に、デリスキングと依存関係は投資機会に影響を及ぼします。ファンドマネージャーは、資本を投下する際には、これらの変革の潮流を考慮することが推奨されます。
●テクノロジー、メディア・エンターテインメント、テレコム
デジタル主権政策は、国境を越えた新しい基準や規制を課す半面、セクター全体の企業に新しい投資機会をもたらします。経営者は積極的に、進化しつつある地政学的展望と自社の事業運営とを同調させることが重要です。また、業界基準が制定・改定される際に、経営者が意見を提供することが推奨されます。
EYSC EYパルテノン パートナー 小林 暢子のコメント:
「地政学的リスクの高まりを受け、日本企業は対応策を強化しています。EYの調べによると、上場企業の年次有価証券報告書における地政学的リスクや関連用語への言及は、過去10年間で10倍と急増しています。
米国を含めいくつもの既存政権が苦戦した2024年選挙スーパーサイクルを経て、世界の地政学的な力学は新しい転換点を迎えています。ビジネスへの影響は大きなものになるでしょう。私たちは、企業がこれらの課題に対処し、持続可能な成長を達成するための戦略を提案し支援します」
詳細については、下記をご覧ください。
英語版:
Top 10 geopolitical developments for 2025
(日本語版は近日中に公開予定です。公開後、こちらにリンクを掲載します。)
<Geostrategic Outlook(地政学的動向)について>
EYの地政学戦略グループ(Geostrategic Business Group:GBG)が毎年公表しているGeostrategic Outlook(地政学的動向)は、今後1年間で予想される世界の政治的リスクの動向に関する分析結果を解説しています。GBGは、政治リスク、政府政策、公共部門、戦略、学術界の各分野において長年の経験を有する地政学リスク専門家グローバルネットワークです。
「2025 Geostrategic Outlook(2025年に予想される地政学的動向トップ10)」では、10の地政学的動向を選ぶにあたり、GBGはまず、2024年8月から9月にかけてクラウドソーシングによるホライズン・スキャニング調査(将来大きなインパクトをもたらす可能性のある変化の兆候をいち早く捉えるために、現状を調査・分析して将来を展望する)を実施し、潜在的な政治的リスクを特定しました。本スキャニング調査は、複数の内部および外部データ、ならびに研究ソースからのデータを収集しました。GBGは、公共政策、戦略、マクロトレンド、セクターレベルの動向に焦点を当てた世界中のEYのチームに属する数十に及ぶ領域のプロフェッショナルからの見解や情報も収集しました。本スキャニング調査は、世界のすべての地域を対象とし、地政学的戦略の枠組みを構成する4つのカテゴリー(地政学・国・規制・社会)すべての政治的リスクを網羅しています。また、さらに多くの動向を把握すべく、政治的リスク関連の調査会社に所属する専門家にも聞き取り調査を行いました。
次に、特定したすべての政治的リスクを、その発生確率、および世界中のさまざまなセクターや地域の企業への影響度合いという2つの側面から評価しました。この影響評価は、地政学戦略の実行プロセスにおける第2段階の一環として位置付けられています。EYがGeostrategic Outlookで公表している地政学的動向トップ10は、グローバル企業に代表される政治的リスクの発生確率と影響度合いの評価結果に基づいています。
<EYについて>
EY | Building a better working world
EYは、「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」をパーパス(存在意義)としています。クライアント、人々、そして社会のために長期的価値を創出し、資本市場における信頼の構築に貢献します。
150カ国以上に展開するEYのチームは、データとテクノロジーの実現により信頼を提供し、クライアントの成長、変革および事業を支援します。
アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、
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<EYパルテノンについて>
EYパルテノンは、クライアントと共に、そのエコシステムの再認識、事業ポートフォリオの再構築、より良い未来に向けた変革の実施を支援し、この複雑な時代を乗り切る舵取りを支えます。グローバルレベルのネットワークと規模を有するEYパルテノンは、戦略的ソリューションの提供に注力しており、自社のトランスフォーメーションを目指す企業経営者が、より適切に課題を管理しながらチャンスを最大化する戦略を策定し実行するためのサポートを提供しています。戦略の提案から実行までを通じて、EYパルテノンは、クライアントが長期的価値をはぐくみ、より良い社会を構築することに貢献します。EYパルテノンは、EYにおけるブランドの一つであり、このブランドのもとで世界中の多くのEYメンバーファームが戦略コンサルティングサービスを提供しています。詳しくは、
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