母校のメロディー宮崎県内小中学校の校歌

檍小学校　校歌エピソード

檍小は１８８９（明治２２）年に創立された歴史の古い小学校です。校歌は１９６３（昭和３８）年に制定されました。作詞者は長嶺宏氏、作曲者は海老原直氏。２人が一緒に手がけた校歌は県内で多数に上り、「校歌のゴールデンコンビ」とも言えます。

　長嶺宏氏は１９０８（明治４１）年生まれ。旧制宮崎中、旧制七高を経て東大文学部国文学科を卒業しました。旧制岡山一中、旧制京都一中教諭を経て１９４９（昭和２４）年宮崎大学に着任、１９７３（同４８）年に退官。宮崎県内の文学誌「龍舌蘭」同人で評論活動にあたり、森鴎外の研究家としても知られていました。１９９９（平成１１）年、９１歳で亡くなりました。

　海老原直氏は１９１７（大正６）年、宮崎市高岡町生まれ。１９４１（昭和１６）年、現在の東京芸術大学である東京音楽学校を卒業後、宮崎市師範学校に勤務。学制改革で宮崎大学となった後も音楽科の教授を務め、１９７６（昭和５１）年に退官されました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。１９６４（昭和３９）年の東京五輪開催時は「オリンピック聖火を迎える歌」も作曲しています。１９８１（昭和５６）年、６４歳で死去。ご遺族によると、校歌を依頼されると必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

檍北小学校　校歌エピソード

　檍北小は、檍小から分離して１９８５（昭和６０）年に開校しました。同小ホームページによると、当時の児童数は７４７人、職員数は３２人。作詞は開校当時の先生がたが手がけました。学校近くの「あわきが原」「一ツ葉の浜」が盛り込まれ、１番の最後を締める「共に築かん　檍北小」という歌詞からは歴史をこれから作っていこうという熱い心が伝わってくるようです。

　作曲者の根井翼さんは中学校の音楽教諭を長く務め、広瀬小や住吉小校長を歴任した教育者です。初代校長から依頼を受け、先に出来ていた歌詞にリズムをつけていったのだそうです。「みどり豊かな　あわきが原」「しおざい遠く　一ツ葉の浜」など学校近くの自然を表現した歌詞だったので、そのイメージを大切に作曲。「その後、創立記念式典で校歌の合唱を指揮した時は言葉にできない感動を覚えました」と振り返っていらっしゃいます。

生目小学校　校歌エピソード

　生目小は１８９９（明治３２）年、生目村立生目小として創立し、宮崎市内でも歴史の古い小学校の一つです。作詞者は長嶺宏氏、作曲者は海老原直氏。２人が一緒に手がけた校歌は県内で多数に上り、「校歌のゴールデンコンビ」とも言えます。

　長嶺宏氏は１９０８（明治４１）年生まれ。旧制宮崎中、旧制七高を経て東大文学部国文学科を卒業しました。旧制岡山一中、旧制京都一中教諭を経て１９４９（昭和２４）年宮崎大学に着任、１９７３（同４８）年に退官。宮崎県内の文学誌「龍舌蘭」同人で評論活動にあたり、森鴎外の研究家としても知られていました。１９９９（平成１１）年、９１歳で亡くなりました。

　海老原直氏は１９１７（大正６）年、宮崎市高岡町生まれ。１９４１（昭和１６）年、現在の東京芸術大学である東京音楽学校卒。宮崎大学で教授を務め、１９７６（昭和５１）年に退官されました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。１９８１（昭和５６）年、６４歳で死去。ご遺族によると、校歌を依頼されると必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

大宮小学校　校歌エピソード

　大宮小は創立１２０年を超える歴史の長い学校。大宮小から池内小、東大宮小などが分離独立しています。シドニー五輪・柔道男子で金メダルを獲得した井上康生さんの母校でもあります。

　作詞者の長嶺宏氏は１９０８（明治４１）年生まれ。旧制宮崎中、旧制七高を経て東大文学部国文学科を卒業しました。旧制岡山一中、旧制京都一中教諭を経て１９４９（昭和２４）年宮崎大学に着任、１９７３（同４８）年に退官。宮崎県内の文学誌「龍舌蘭」同人で評論活動にあたり、森鴎外の研究家としても知られていました。１９９９（平成１１）年、９１歳で亡くなりました。

　作曲者の海老原直氏は１９１７（大正６）年、宮崎市高岡町生まれ。１９４１（昭和１６）年、現在の東京芸術大学である東京音楽学校卒。宮崎大学で教授を務め、１９７６（昭和５１）年に退官されました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。１９８１（昭和５６）年、６４歳で死去。ご遺族によると、校歌を依頼されると必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので、消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

　長嶺氏と海老原氏は、県内の学校の校歌をともに数多く作られ、「宮崎の校歌のゴールデンコンビ」ともいえます。大宮小の校歌には「平和の塔」「神武の森」がよみこまれています。

学園木花台小学校　校歌エピソード

　学園木花台小は１９９３年（平成５）年に開校しました。宮崎市中心部から移転した宮崎大と宮崎医科大（当時）などを含む「宮崎学園都市」内に位置します。

　作詞者の菅邦男さんと作曲者の金田雄志さんは開校当時、ともに宮崎大に勤めていました。菅さんは宮崎大教授を経て２０１５年現在、宮崎国際大教授。国語教育、なかでも大正・昭和期の県の作文教育の研究者として知られています。金田さんは東京芸術大学大学院修了。岡山大学教授として勤められ、県立芸術劇場の開館記念としてニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの物語を題材にしたオペラ「炎（ひ）の姫」などの数多くの作曲を手掛けています。

沖水小学校　校歌エピソード

　沖水小学校は１９００（明治３３）年に前原小学校と金田小学校が統合して、沖水尋常小学校として開校しました。学校の木は「せんだん」、花木は「サクラ」。　

　作詞者の川越実氏は都城市生まれ。１９７２（昭和４５）年、８７歳で死去。旧制都城中を卒業し、有水小や明道小で教壇に立ち、１９１５（大正４）年から１９４２（昭和１５）年まで三州日日新聞を発行しました。戦後は雑誌「愛友」を発刊、郷土の文化や教育の発展に尽力したことから「都城文教の父」とも言われています。都城市立東小校歌の作詞も手掛けています。

　作曲者の木岡英三郎氏は広島県出身で、大正・昭和時代に活躍した日本のオルガン奏者の草分けと言われる人です。１８９５（明治２８）年に生まれ、１９８２（昭和５７）年に亡くなりました。オルガン演奏の傍ら、讃美歌研究にも力を注ぎました。東京都杉並区には木岡栄三郎・梅子記念資料室が開設され、海外留学中の日記、手紙など多くの貴重な資料が保管されています。

志和池小学校　校歌エピソード

　志和池小は１９００（明治３３）年、上水流、下水流、岩満の３小学校を合併し、志和池尋常小学校として創設されました。志和池南部にある蓮池を見た僧が「志の和するところ、この池のごとくあれ」と言ったことから地名がついたという説があるそうです。

　作詞者の服部七郎氏は元県立高校校長。古里で活躍していた文人・富松良夫氏の影響を受け、旧制都城中学時代の同級生だった中山正道氏、阿万鯱人氏らと長く文学活動を続けたそうです。開校時に国語を教えていた県立都城西高校でも校歌を作詞。都城市立南小でも歌詞を手掛けました。県立宮崎海洋高校校長時代には「やがて発たば遠洋漁の海の果てに家も恋ひなむきみら高校生」という歌も詠んでいらっしゃいます。教育者としてもすぐれ、県立宮崎南高校時代は勉強一辺倒から文武両道の学校に方針を切り替えた校長として名を残しています。晩年、終の棲家とした高齢者施設でも職員に請われ、ホームの歌（園歌）を作詞したそうです。

　作曲者の池田玉さんは福岡県出身。東京音楽学校（現東京芸術大）卒業後、教職の場を求めて宮崎県へ。県内の高校で音楽教諭として勤め、一九五五（昭和三十）年、都城泉ケ丘高在任中に混声合唱団「都城クリスタルコール」を結成。長く指揮を務めました。合唱団は七八（同五十三）年、本県で初めて一般の部の九州代表に選ばれ、悲願の全日本合唱コンクール出場を果たしました。２００４年、９７歳で死去。当時、宮崎日日新聞に追悼文を寄せた片山謙二・県合唱連盟理事長は「すばらしい音楽を生み出す先生の指揮者としての一振り、同一音符の長短、音と音の微妙な間、正確な音程、それらを聞き分ける、決して妥協を許さない厳しい耳。見栄えやまやかしを完全に否定した世界。だからこそ歌う人、聴く人をこの上ない幸福感に高めてくれる。先生の音楽は先生のお人柄そのものだったと思います」としのんでいます。

岡富小学校　校歌エピソード

　岡富小は延岡市中心部に位置し、ＨＰによると、１９１０（明治４３）年岡富尋常高等小学校として開校しました。岡富小から分離する形で、１９４８（昭和２３）年に旭小学校がつくられました。

　岡富小の校歌の作詞を手掛けたのは国民的詩人の野口雨情。野口雨情と宮崎を結びつけたのが、作曲者である権藤円立（えんりゅう）です。

　権藤円立は、宮崎県出身で初の声楽家といわれています。１８９１（明治２４）年、延岡市に生まれました。生家は同市船倉町に今でも残る「光勝寺」です。旧制延岡中学を卒業後、東京音楽学校（現在の東京芸術大学）に進学。声楽（バリトン）を学び、後に民謡の採譜に力を尽くした藤井清水（きよみ）と親交を深めました。

　権藤は山梨県などで音楽教育に携わった後、上京。藤井から紹介を受け野口雨情と知り合い、野口が作詞、藤井が作曲、権藤が歌うというトリオが誕生します。３人で「芸術教育協会」の中心となり、全国で音楽活動を展開、宮崎県内もトリオで何度か訪れたそうです。権藤と野口の親交の深さの証が、県北の校歌の詩にメロディーに残っているのです。

　「七つの子」「赤い靴」「シャボン玉」など数多くの童謡を作詞した野口雨情は１８８２（明治１５）年生まれ。１９４５（昭和２０）年に亡くなりました。野口雨情記念館によると、宮崎県内では岡富小以外に、延岡市立東海小、日向市立富高小、同市立平岩小、県立福島高校の前身である福島高等女学校、串間市立北方小の前身である第一北方国民学校の校歌の歌詞を手掛けたそうです。

　宮崎県内も訪れ、西南戦争最後の激戦地だった和田越（延岡市北川町）には「逢ひはせなんだか　あの和田越で　薩摩なまりの落人に」の石碑が建っています。

　※参照「宮崎の１０１人」

東海小学校　校歌エピソード

　東海小は学校のＨＰによると、１９０１（明治３４）年、東海尋常高等小学校として開校しました。

　校歌の作詞を手掛けたのは国民的詩人の野口雨情。野口雨情と宮崎を結びつけたのが、作曲者である権藤円立（えんりゅう）です。

　権藤円立は、宮崎県出身で初の声楽家といわれています。１８９１（明治２４）年、延岡市に生まれました。生家は同市船倉町に今でも残る「光勝寺」です。旧制延岡中学を卒業後、東京音楽学校（現在の東京芸術大学）に進学。声楽（バリトン）を学び、後に民謡の採譜に力を尽くした藤井清水（きよみ）と親交を深めました。

　権藤は山梨県などで音楽教育に携わった後、上京。藤井から紹介を受け野口雨情と知り合い、野口が作詞、藤井が作曲、権藤が歌うというトリオが誕生します。３人で「芸術教育協会」の中心となり、全国で音楽活動を展開、宮崎県内もトリオで何度か訪れたそうです。権藤と野口の親交の深さの証が、県北の校歌の詩にメロディーに残っているのです。

　「七つの子」「赤い靴」「シャボン玉」など数多くの童謡を作詞した野口雨情は１８８２（明治１５）年生まれ。１９４５（昭和２０）年に亡くなりました。野口雨情記念館によると、宮崎県内では東海小以外に、延岡市立岡富小、日向市立富高小、同市立平岩小、県立福島高校の前身である福島高等女学校、串間市立北方小の前身である第一北方国民学校の校歌の歌詞を手掛けたそうです。

　※参照「宮崎の１０１人」

延岡小学校　校歌エピソード

　延岡小は、１８８９（明治２２）年に創立された歴史の古い学校です。卒業生には歌人若山牧水、飛行士後藤勇吉、柔道家磯貝一ら、錚々たる顔ぶれが並びます。

　「朝日たださす　あがたなる　学びの庭の百千草　花のいろいろ　咲きいでて　幾代の春や　匂うらん」。校歌の制定は１９０２（明治３５）年ともいわれ、宮崎県内の小学校の校歌で歌詞が１番しかない学校は、おそらく延岡小だけでしょう。歌詞の中の「あがた」は、現在の城下町延岡の原型が完成したとされる慶長時代に、藩名などに使われていた「県（あがた）」をさしているそうです。現在でも地名として「安賀多」という呼び名が残っています。

　作詞者の日吉昇は、若山牧水の延岡高等小学校時代の担任で、当時、延岡では一番の文章家。牧水が文学に親しむようになったきっかけは、この時代にあったといわれています。

生目台西小学校　校歌エピソード

　生目台西小は１９９４（平成６）年に開校、宮崎市内では最も新しい学校です。校章の図案とともに校歌の作詞作曲も当時の先生がたが考えました。

　１番の歌詞は「きんもくせいの香りにのせて　光る窓辺にひびく歌声」で始まります。きんもくせいは、学校の木として親しまれています。

池内小学校　校歌エピソード

　池内小は１９７１（昭和４６）年、大宮小から分離する形で開校しました。校歌は作詞、作曲とも公募で決まったそうです。作詞者の永峯麗子さん、作曲者の濱田至さんはともに池内小校区内に住んでいた方でした。

　作詞者の永峯麗子さんはアララギ系の歌人。鹿児島県出身で、小学校教諭を経て、子育ての傍ら家庭裁判所の家事調停委員や保護司などを務めていました。歌集「古里」には「三人の子の養育料に合意して一つの家庭また崩壊す」という歌も収められています。歌詞の公募を知ったのは締切直前。短歌をつくるために小学校の近くをよく散歩していたこともあり、歌詞に「矢口の池」、「むべの実」、宮崎城址を指す「城山」など様々な風景を盛り込めたそうです。

　作曲者の濱田至さんは吹奏楽指導で全国にも名をはせた音楽教諭。本郷小時代はテレビ番組で吹奏楽部が紹介され、歌手の坂本九さんが「日本の南の地にこんなすてきなブラスバンドがあるのは奇跡」と感激したエピソードが残っています。また、赤江小時代には全国大会を目前に緊急入院されましたが、数人の６年生女子児童がリーダーとなって完璧に仕上げ、全国優勝。この時に中心的役割を果たしたのが女子プロゴルファーの大山志保さんだったそうです。

　※参考：佐土原悟著「音楽（おと）は結ぶ」

妻南小学校　校歌エピソード

　妻南小は１９４９（昭和２４）年、妻町立第二小学校として妻小学校より分離する形で開校。翌年、現在の妻南小学校という校名に改称され、校歌は１９５２（昭和２７）年に制定されました。

　作詞は西都市内にある仙光寺の住職だった旭吉法城氏。大正から昭和の初期にかけて新潮社が発行していた文芸誌「文章倶楽部」にも投稿していたようです。「見よ清新の意気高く」「躍る希望も新しく」など、校歌の歌詞にも新しい学校の始まりにふさわしい高揚感がみられます。

　海老原直氏は現在の東京芸術大学である東京音楽学校を卒業後、宮崎市師範学校に勤務。学制改革で宮崎大学となった後も音楽科の教授を務めました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。１９６４（昭和３９）年の東京五輪開催時は「オリンピック聖火を迎える歌」も作曲しています。ご遺族によると、校歌を依頼された際は必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

都於郡小学校　校歌エピソード

　都於郡小は明治５年から、その歴史が始まりました。昭和４４年に校旗、校章とともに校歌を制定。

　作詞者の金丸純子さんは、同小の元教諭です。歌詞の中で最も地域性を表しているのが３番。「世に誇る歴史は古く…遠くローマへ続く道」。外国の地名が登場する校歌は珍しいのではないでしょうか。

　都於郡が天正遣欧少年使節・伊東満所（マンショ）の生誕地であることから、ポルトガルやスペインを経てローマで教皇グレゴリオ１３世に謁見した史実を踏まえ、校歌にうたわれています。小学校の玄関にも、伊東満所の胸像が設置されています。

　海老原直氏は現在の東京芸術大学である東京音楽学校を卒業後、宮崎市師範学校に勤務。学制改革で宮崎大学となった後も音楽科の教授を務めました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。

　１９６４（昭和３９）年の東京五輪開催時は「オリンピック聖火を迎える歌」も作曲しています。ご遺族によると、校歌を依頼された際は必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

吾田小学校　校歌エピソード

　吾田小学校は、明治２３年に開校した伝統ある小学校です。学校は高台にあり、登下校で使っている坂道は、さくら坂、きつね坂と呼ばれています。学校から上がっていくと望洋台があり、市内を一望できます。

　校歌の作詞者である八波則吉（やつなみ・のりきち）は、１８７６（明治９）年、福岡県出身。日本文学研究者、国語教育学者として明治から昭和にかけて活躍した人です。

　東京帝大国文科を卒業後、第四高等学校教授を経て、「ハナ　ハト　マメ」で始まる尋常小学国語読本を編纂しました。その後、熊本にあった第五高等学校教授となり、多くの著書を残しています。全国の小学校、中学校、高等学校の校歌や、唱歌、市歌などの作詞を手掛け、宮崎県内では吾田小学校以外に、都城市立庄内小学校の校歌を作りました。

　作曲者の田村虎蔵は、１８７３（明治６）年、鳥取県出身。♪もしもし亀よ亀さんよ♪で始まる「兎と亀」、♪まさかりかついだ♪で始まる「金太郎」など多くの歌を作曲しました。

　東京音楽学校兼高等師範学校助教授として子どもたちに音楽を教えた経験から、分かりやすい唱歌をつくることに力を注ぎました。文部省が主導する「尋常小学唱歌」の編纂委員として、八波則吉や佐佐木信綱、島崎赤太郎らとともに名を連ねました。これらの活動が元となって日本の唱歌が大きく軌道修正されたといわれています。

飫肥小学校　校歌エピソード

　飫肥小の始まりは、１８７２（明治５）年につくられた都城県第１１郷校。全国的にも珍しい城跡の中にある小学校で、１９５３（昭和２８）年に制定された校歌の一番の歌詞にも「輝く偉人　生まれし地　小松のみねの　白き雲　　草みどりなる　城あとに　たてる学や　わが母校」とうたわれています。

　作詞を手掛けた神戸雄一は、１９０２（明治３５）年、串間市に生まれた詩人、小説家です。初めての詩集「空と木橋との秋」は高村光太郎の推挙によるものといわれています。その後、詩作においては金子光時、林芙美子、草野心平らとともに東京で活躍しました。詩集「新たなる日」「鶴」、小説集「番人」、偉人伝「小村寿太郎」などを出版しています。

　日向日日新聞社（現在の宮崎日日新聞社）に請われて帰郷、文化部長、出版局長を務めました。宮崎県文化賞も受賞しています。

　作曲者の園山民平は、１８８７（明治２０）年、島根県出身の作曲家。東京音楽学校（現在の東京芸大）を卒業後、宮崎高等女学校の教諭となりました。旧満州へ渡り、大連高等音楽学校の校長を務める傍ら、満州国の国歌や多くの童謡を作曲しました。

　終戦後は宮崎に戻り、宮崎管弦楽団や宮崎オペラ協会を設立、戦後の宮崎を音楽で包んだ人です。宮崎管弦楽団は、日本での市民オーケストラの先駆けともいわれているそうです。作詞者の神戸雄一と同じく宮崎県文化賞を受賞しています。

　※参考：「みやざきの１０１人」

　

瓜生野小学校　校歌エピソード

　瓜生野小学校の歴史は、１８７４（明治７）年、王楽寺で授業したことから始まるそうです。校歌は１９５４（昭和２９）年に制定されました。作詞者は長嶺宏氏、作曲者は海老原直氏。２人が一緒に手がけた校歌は県内で多数に上り、「校歌のゴールデンコンビ」とも言えます。

　長嶺宏氏は１９０８（明治４１）年生まれ。旧制宮崎中、旧制七高を経て東大文学部国文学科を卒業しました。旧制岡山一中、旧制京都一中教諭を経て１９４９（昭和２４）年宮崎大学に着任、１９７３（同４８）年に退官。宮崎県内の文学誌「龍舌蘭」同人で評論活動にあたり、森鴎外の研究家としても知られていました。１９９９（平成１１）年、９１歳で亡くなりました。

　海老原直氏は１９１７（大正６）年、宮崎市高岡町生まれ。１９４１（昭和１６）年、現在の東京芸術大学である東京音楽学校卒。宮崎大学で教授を務め、１９７６（昭和５１）年に退官されました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。１９８１（昭和５６）年、６４歳で死去。ご遺族によると、校歌を依頼されると必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

福島小学校　校歌エピソード

　福島小校歌の作詞を手掛けた神戸雄一は、１９０２（明治３５）年、串間市に生まれた詩人、小説家です。初めての詩集「空と木橋との秋」は高村光太郎の推挙によるものといわれています。その後、詩作においては金子光時、林芙美子、草野心平らとともに東京で活躍しました。詩集「新たなる日」「鶴」、小説集「番人」、偉人伝「小村寿太郎」などを出版しています。

　日向日日新聞社（現在の宮崎日日新聞社）に請われて帰郷、文化部長、出版局長を務めました。宮崎県文化賞も受賞しています。

　作曲者の園山民平は、１８８７（明治２０）年、島根県出身の作曲家。東京音楽学校（現在の東京芸大）を卒業後、宮崎高等女学校の教諭となりました。旧満州へ渡り、大連高等音楽学校の校長を務める傍ら、満州国の国歌や多くの童謡を作曲しました。

　終戦後は宮崎に戻り、宮崎管弦楽団や宮崎オペラ協会を設立、戦後の宮崎を音楽で包んだ人です。宮崎管弦楽団は、日本での市民オーケストラの先駆けともいわれているそうです。作詞者の神戸雄一と同じく宮崎県文化賞を受賞しています。

　２人は、日南市立飫肥小の校歌でもコンビを組んでいます。

　※参考：「みやざきの１０１人」

諸塚小学校　校歌エピソード

　諸塚小の創立は１８７４（明治７年）、歴史の長い学校です。校歌の冒頭に歌われる「狭霧（さぎり）」はＰＴＡ新聞の名前にもなっています。

　作詞者の小嶋政一郎（１８９３～１９７７）は延岡市博労町の商家に生まれました。戦前は方財小、南小の校長を務め、戦後は市の社会教育課長などを歴任。この間に、郷土史の研究にも励み「延岡郷土史年代表」「延岡のことば」「延岡百景　今と昔」などの著書があります。１９７３（昭和４８）年には県文化賞を受賞しました。１９５７年から４年間ブラジルに滞在し、日本語学校などで教えた人格者として現地では知られているそうです。

　延岡市立名水小、方財小、美郷町立田代小、門川町立草川小などの校歌では、作詞（名水小は作曲も）を手掛けています。

　権藤円立は、宮崎県出身で初の声楽家といわれています。１８９１（明治２４）年、延岡市に生まれました。生家は同市船倉町に今でも残る「光勝寺」です。旧制延岡中学を卒業後、東京音楽学校（現在の東京芸術大学）に進学。声楽（バリトン）を学び、後に民謡の採譜に力を尽くした藤井清水（きよみ）と親交を深めました。

　権藤は山梨県などで音楽教育に携わった後、上京。藤井から紹介を受け野口雨情と知り合い、野口が作詞、藤井が作曲、権藤が歌うというトリオが誕生します。３人で「芸術教育協会」の中心となり、全国で音楽活動を展開、宮崎県内もトリオで何度か訪れたそうです。

　小嶋は旧制延岡中９回卒、権藤は６回卒。先輩の権藤が小嶋を芸術教育協会に加えようと誘い、上京を決意したという縁があります。

草川小学校　校歌エピソード

　作詞者の小嶋（島）政一郎（１８９３～１９７７）は、延岡市博労町の商家に生まれました。戦前は方財小、南小の校長を務め、戦後は市の社会教育課長などを歴任。この間に、郷土史の研究にも励み「延岡郷土史年代表」「延岡のことば」「延岡百景　今と昔」などの著書があります。１９７３（昭和４８）年には県文化賞を受賞しました。１９５７年から４年間ブラジルに滞在し、日本語学校などで教えた人格者として現地では知られているそうです。

　延岡市立名水小、方財小、美郷町立田代小、諸塚村立諸塚小などの校歌では、作詞（名水小は作曲も）を手掛けています。

　作曲者の園山民平は、１８８７（明治２０）年、島根県出身の作曲家。東京音楽学校（現在の東京芸大）を卒業後、宮崎高等女学校の教諭となりました。旧満州へ渡り、大連高等音楽学校の校長を務める傍ら、満州国の国歌や多くの童謡を作曲しました。

　終戦後は宮崎に戻り、宮崎管弦楽団や宮崎オペラ協会を設立、戦後の宮崎を音楽で包んだ人です。宮崎管弦楽団は、日本での市民オーケストラの先駆けともいわれているそうです。

　※参考：「みやざきの１０１人」

門川小学校　校歌エピソード

　校歌の作詞を手掛けた神戸雄一は、１９０２（明治３５）年、串間市に生まれた詩人、小説家です。初めての詩集「空と木橋との秋」は高村光太郎の推挙によるものといわれています。その後、詩作においては金子光時、林芙美子、草野心平らとともに東京で活躍しました。詩集「新たなる日」「鶴」、小説集「番人」、偉人伝「小村寿太郎」などを出版しています。

　日向日日新聞社（現在の宮崎日日新聞社）に請われて帰郷、文化部長、出版局長を務めました。宮崎県文化賞も受賞しています。

　作曲者の園山民平は、１８８７（明治２０）年、島根県出身の作曲家。東京音楽学校（現在の東京芸大）を卒業後、宮崎高等女学校の教諭となりました。旧満州へ渡り、大連高等音楽学校の校長を務める傍ら、満州国の国歌や多くの童謡を作曲しました。

　終戦後は宮崎に戻り、宮崎管弦楽団や宮崎オペラ協会を設立、戦後の宮崎を音楽で包んだ人です。宮崎管弦楽団は、日本での市民オーケストラの先駆けともいわれているそうです。作詞者の神戸雄一と同じく宮崎県文化賞を受賞しています。

　※参考：「みやざきの１０１人

東海東小学校　校歌エピソード

　東海東小は、東海小から分離して１９８８（昭和６３）年に開校しました。

　開校時には、校歌は制定されておらず、歌詞や曲を公募していました。当時、長女を東海東小に通わせていた主婦で、「夏の思い出」「めだかの学校」などを作曲した故・中田喜直氏に指導を受けたことのある園田尚子さんは、作詞・作曲に取り掛かりました。家事をこなしながらの作業。「新しくできた校舎は教室の壁の取り外しができたり、床が絨毯だったり、校舎と校舎の間に書架があったりと今までの学校と違っていて、こんな中で成長することは素晴らしいと思った」と、園田さんは振り返ります。１番の歌詞の「夢にあふれる学び舎で」に込めた思いです。

　歌詞、メロディー、ピアノの伴奏譜もつけて作った校歌は、開校した年の運動会で初めて披露されました。「はつらつと歌ってほしい」という作者の希望通り、子供たちの元気な声が運動場に響きました。

幸脇小学校　校歌エピソード

　幸脇小は１８７８（明治１１）年に創立し、これまで２０００人以上の卒業生を送り出してきました。ピーク時の１９５８（昭和３３）年には２６６人の児童がいましたが、徐々に減り、２０１６年３月で閉校することになりました。最後の在校生は１５人。４月から美々津小に統合されます。

　校歌の作詞者、高森文夫氏（１９１０－１９９８年）は東郷町山陰（現在の日向市）の出身で、元東郷町長。詩人でもあった高森は、１９３７（昭和１２）年に初の詩集「浚渫船」を刊行し、第２回中原中也賞を杉山平一とともに受賞しています。中原中也とは上京して高校生だった時代に出会い、終生、友として親しく交流。中原は高森の実家も訪れています。　高森の経歴は波乱万丈です。東京大学仏文科を卒業後、母校の旧制延岡中学の教諭となりましたが、旧満州国満州映画協会に入社。企画課長として俳優・森繁久弥とも交友があったそうです。その後、陸軍に召集され、敗戦から４年間、シベリア抑留を経験しました。戦後、延岡市の教育長、東郷町の教育長、同町長などを歴任しながら、１９６８（昭和４３）年第２詩集「昨日の空」、１９９０年、既刊詩集に新しく編んだ「一つの季節」と初期詩２篇・戯詩２篇を収めた全詩集「舷灯」を上梓しました。

　詩人の南邦和さんは、自分が中原中也賞を取ったことを詩人仲間にも言わなかったという高森のことについて「含羞と寡黙の詩人」と評し、朗読者が快く読めるリズムがあるとして「優れたなめし革のような柔軟さと強さを持っている」と語っています。

　作曲者の海老原直氏は１９１７（大正６）年、宮崎市高岡町生まれ。１９４１（昭和１６）年、現在の東京芸術大学である東京音楽学校卒。宮崎大学で教授を務め、１９７６（昭和５１）年に退官されました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。１９８１（昭和５６）年、６４歳で死去。ご遺族によると、校歌を依頼されると必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

　長嶺宏氏（作詞）と２人で手がけた校歌は県内で多数に上り、「校歌のゴールデンコンビ」とも言えます。

【写真説明】２０１６年２月の閉校式で合唱を披露する幸脇小児童。参加者全員で校歌を合唱しました。

大塚小学校　校歌エピソード

　作詞者の故・小田口薫さんは、大塚小や日南市立油津小校長を歴任。教職を退いた後も同市の児童館長を務めるなど、児童生徒の成長を温かく見守られました。２００６年に瑞宝双光章を受章された際には「教育にかかわり続けることができたのは、多くの教え子たちの支えがあったからこそ」とお話しされていました。

　作曲を手掛けたのは故・上久保寿名雄さん。高千穂高校や延岡高校など県立高校で音楽教諭として多くの生徒を育てました。定年後も多くの合唱団を率い、多彩なコンサートをプロデュースしました。上久保さんを慕う卒業生たちとともに、延岡高校で３０年ぶりに牧水忌の献唱をしたこともあります。宮崎作曲協会会長も務め、県芸術文化賞受賞者です。

加納小学校　校歌エピソード

加納小は１９８５（昭和６０）に清武小学校から分離独立し、開校しました。

校歌は翌年３月に制定。当時、作詞者の渡部紀南氏は教頭先生、作曲者の阿万為孝氏は教諭として勤務していました。

「夏にのぞむ日向灘」「みなみに仰ぐ丸目山」。歌詞に登場する海や山は小高い丘の上にある小学校から見える風景です。

加納小学校　校歌エピソード

　加納小は１９８５（昭和６０）に清武小学校から分離独立し、開校しました。校歌は翌年３月に制定。作詞者の渡部紀南氏は教頭先生、作曲者の阿万為孝氏は教諭として勤務していました。

　「夏にのぞむ日向灘」「みなみに仰ぐ丸目山」という歌詞にある海や山は小高い丘の上にある小学校から見える風景です。

木花小学校　校歌エピソード

　３番の歌詞すべてが「楽しさよ」で終わる木花小の校歌。作詞を手掛けた神戸雄一は、１９０２（明治３５）年、串間市に生まれた詩人、小説家です。金子光時、林芙美子、草野心平らとともに東京で活躍しました。詩集「新たなる日」「鶴」、小説集「番人」、偉人伝「小村寿太郎」などを出版しています。宮崎県文化賞も受賞しています。

　作曲者の有馬俊一は都城市西岳地区の出身。戦前の官立唯一の音楽専門学校である上野音楽学校に進学し、熊本県の第一高等女学校で教壇に立った。娘のよう子さんは「仕事のことはあまり家族に言わなかったので、宮崎県内の校歌を作曲していたことは知らなかった。音楽漬けの父で、ご飯を食べる時でも箸を指揮棒代わりに振り回していた」と思い出を語っています。

加納小学校　校歌エピソード

清武小学校　校歌エピソード

　清武小は、１８２７（文政１０）年に創設された明教堂を礎としています。

　校歌の作詞者は日高正。医師、町議として清武町の自治発展や児童の衛生指導に貢献、１９６７（昭和４２）年に当時の清武町初の名誉町民となった人です。

　作曲者の海老原直氏は宮崎大学で教授を務め、県内外の２００曲を超える校歌を作曲されました。

倉岡小学校　校歌エピソード

　宮崎市高岡町にある倉岡小は１８８９（慶応元）年に設立された明道館を始まりとする歴史の古い学校です。学校の木「シロバナフジ」は、１８８９（明治２２）年の校舎増築に伴い、地域住民から寄贈されたもので、市の天然記念物に指定されるほど見事な花を咲かせます。

　校歌の作詞者は長嶺宏氏、作曲者は海老原直氏。２人が一緒に手がけた校歌は県内で多数に上り、「校歌のゴールデンコンビ」とも言えます。

　長嶺宏氏は１９０８（明治４１）年生まれ。旧制宮崎中、旧制七高を経て東大文学部国文学科を卒業しました。旧制岡山一中、旧制京都一中教諭を経て１９４９（昭和２４）年宮崎大学に着任、１９７３（同４８）年に退官。宮崎県内の文学誌「龍舌蘭」同人で評論活動にあたり、森鴎外の研究家としても知られていました。１９９９（平成１１）年、９１歳で亡くなりました。

　海老原直氏は１９１７（大正６）年、宮崎市高岡町生まれ。１９４１（昭和１６）年、現在の東京芸術大学である東京音楽学校卒。宮崎大学で教授を務め、１９７６（昭和５１）年に退官されました。生涯で作曲した校歌は小学校１２２曲、中学校６４曲、県立学校１３曲、そのほかの学校１０曲、合わせて２０９曲を数えます。１９８１（昭和５６）年、６４歳で死去。ご遺族によると、校歌を依頼されると必ず、その土地を訪ねて構想を練られていたそうです。「ピアノの前に向かって何度も書いては消し、書いては消しを繰り返すので消しゴムのくずが鍵盤に積もっていました」。

清武小学校　校歌エピソード

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檍小学校特集は2013年2月26日付紙面に掲載しました。
コピー紙面は「お誕生日・記念日新聞」として、
有料でお分けしています。

檍小学校 校歌エピソード

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