琴恵光(左)がはたき込みで照強を破る
「攻めきる相撲が取れた」
大相撲7月場所を10勝5敗で終え、幕内で初めて2桁勝利を挙げた琴恵光。元大関2人を破るなど奮闘した返り入幕の場所について、電話取材で振り返ってもらい、来場所への意気込みを聞いた。
-幕内で自己最多の10勝を挙げた。
「これまで目標にしてきたが、なかなか勝てなかった。初めて10勝することができ、うれしい」
-5月場所が中止となり、3月場所から4カ月をどう過ごしてきたか。
「中止になり落ち込むことなく、日々何をやるべきか考え、自分と向き合う時間も増えた。しっかり稽古やトレーニングをして、体のケアを充実させた。中止になってからも、たくさんの方に声を掛けてもらった。気持ちが折れることなく、しっかりと準備できた」
-今場所は左からの絞り上げ、おっつけなどが目立ったように思う。
「特に意識はしていない。体の反応なので、うまく反応できたということではないか」
-筋肉が付き、体つきが変わってきたように見える。稽古やトレーニングにどう取り組んだか。
「時間が増えたことで(トレーニングの)回数が増えたからでは。あらゆるところ、足りていない部分をトレーニングで補った。若手2人(琴ノ若、琴勝峰)と刺激し合い、いい稽古ができた。奨菊(琴奨菊)関からもアドバイスいただいた」
-三役(関脇・御嶽海)と初めて対戦。元大関の栃ノ心、高安に勝った。
「(御嶽海戦は)負けはしたが、自分の相撲を取り切れた。上位の雰囲気も味わえていい経験になった。(元大関2人には)思い切りいくしかないと思い、自分の持ち味を出すことだけ考えた」
-3月場所の無観客から、今場所は制限付きで観客を入れて行われた。
「全然違った。(観客が)いる方が気合が入り、やりやすかった」
-地元・延岡市を含め県内は新型コロナ感染が増え沈滞ムードにある。
「毎日元気いっぱいのいい相撲を見せることで、応援してもらっている方に少しでも思いが伝われば。攻めきる自分の相撲を取ることができ、少しでも何か与えられたかなというのはある」
-来場所は番付が上がり上位と当たりそうだ。
「さらに相手も強くなるので稽古、トレーニング、体のケアをしっかりやり自分と向き合う時間を増やす。準備ができれば、それが自信につながると思う。来場所も15日間いい相撲が取れるようにしっかり準備したい」
(2020年08月03日付紙面より)