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【コトバのチカラ】「失敗と挑戦を繰り返し、成長していければいい」自転車 中井彩子さん

2019年1月4日
「失敗と挑戦を繰り返し、成長していければいい」

 -鹿屋体大4年。昨年6月に全日本選手権U-23(23歳以下)ロード(99キロ)で、初の日本一をつかんだ。

 中井 ジュニア時代から世界大会などで活躍する下山美寿々(早大)、梶原悠未(筑波大)選手に勝ち、うれしかった。高校、大学の全国大会では優勝や表彰台にあと一歩届かず、悔しさを募らせてきた。「自分の方が勝利への執念が強い」と思いながら戦った。勝った味は格別で、もっともっとレベルアップしたいと感じた。

 -昨年の全日本大学選手権はロード(67キロ)、オムニアム、3000メートル個人追い抜きで3冠を達成。大学に入って飛躍を遂げた。

 中井 高校時代は平日、登下校時に各45分ほどしか自転車に乗る時間がなかった。大学では朝練だけで1時間半かけるなど、練習量が一気に増えた。レベルの高い先輩たちについていくのは大変だったが、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)するのは楽しかった。ただ1年のときは成績を残せたが、翌年は環境に慣れてしまい、伸び悩んだ。3年になって、「全てを全力でやる」と心を入れ替えた。食事など仲間との交流時間を減らして午後9時に寝るなど、体のケアにも努めてきた。

 -国際大会にも出場した。世界を意識し始めたのはいつごろか。

 中井 大学3年の11月、沖縄の「ツール・ド・おきなわ」(100キロ)で、日本や欧州の実力者とトップ争いをした。ラスト20キロで突き放されて3位だったけど、あの時間は忘れられないくらい楽しくて、世界を目指すきっかけになった。

 -今年2月からフランスのアマチュアチームに所属し活動する。

 中井 夢は自転車の本場・欧州のプロチームや世界で活躍する選手になること。昨年5月、中国の国際大会に日本代表(6人)で出場したが、エース選手に飲み物を渡したり、先頭を走って風よけしたりする「アシスト役」だった。チームや仲間の勝利に貢献することにやりがいはあるが、やはりエースとして走ることが目標。毎週のようにレースがある欧州で駆け引きなど走行技術を高めたい。最初から通用するとは思っておらず、失敗と挑戦を繰り返し、成長していければいい。

 -1年半後に迫った東京五輪への思いは。

 中井 昨年、三つの国際大会に出場し「東京五輪出場の可能性はある」と意識が高まった。今後行われる国際大会の結果で、出場枠が決まる。現在は国内の5、6番手で、このままでは厳しい。欧州でレベルアップし、6月の全日本選手権で優勝を狙う。父が転勤族で、幼稚園年長から小学5年まで東京に住んでいた。東京五輪のスタート地点は昔住んでいた場所に近い。友達の応援を受けながら大舞台を走れれば、気持ちいいだろうと思う。(宮崎市・KIRISHIMAヤマザクラ県総合運動公園で)

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