悲願の五輪出場を決めたゴルフ女子の大山志保
「強い気持ちがあればできる」
「有志竟成(ゆうしきょうせい)」-。強い意志を持っていれば、目的は必ず達成できる、という意味で、自身の座右の銘にしている。その言葉通り、志を貫き困難を克服し、夢をかなえた。
五輪出場は悲願だった。左肘のけがで戦列を離れ気持ちも沈んでいた2009年10月、ゴルフが112年ぶりに五輪競技に復活することが発表され、視界が開けた。「わたしの目標はこれだと思った」
その後も手術や2度にわたるシード権の喪失、度重なるけがに苦しんだ。再起しようとしても壁にぶつかったが、心だけは折れない。「強い気持ちがあればできるということを証明したかった」。13年。地元開催のリコーカップで優勝すると、この年から3年連続で賞金ランキングトップ10入り。ささやかれた限界説も一蹴し、完全復活を遂げた。
これまでテレビで見てきた五輪。柔道の井上康生や競泳の松田丈志ら、地元選手もメダルを獲得した。「ものすごいプレッシャーの中で結果を残す。それまでの努力があってこそだと思うし素晴らしい」。競技は違えどスポーツでしのぎを削る人間として、尊敬するとともに刺激をもらっている。そしてもちろん今回、自分もという思いで戦う。「目標をどこに置くかで結果も変わってくる。金メダルを目指してプレーする」。再び、強い意志で夢をかなえる。
(2016年07月26日付紙面より)