4大会連続となる五輪に挑む競泳男子の松田丈志
「このオリンピックを最高のものにしたい」
「このメンバーならメダルのチャンスがある。僕自身は一番上も狙えると思う」。この種目1964年東京大会以来52年ぶりのメダル獲得へ自信を見せる。
4月の日本選手権。過去2大会で銅メダルを獲得した、200メートルバタフライでの五輪出場を逃した。「何をやってもうまくいかなかった」。苦しんだ胸の内を明かした。一方リレー代表選考を兼ねた200メートル自由形は2位。バタフライ中心に練習を重ねながらもしっかり結果を残し、まだ伸びしろもあると感じた。
国内合宿では、リレーメンバーの小堀勇気、江原騎士と競い合いながら練習。「これまでほとんど1人でやってきて、自分で自分を奮い立たせてきた。でも今回はレベルの高いチームメートがいたので、限界を引き出しやすかった」と手応えを話す。
延岡市出身。4歳のころから地元の東海スイミングクラブに通った。ビニールハウスに覆われたプールは長さ25メートル、水深も1.1メートルしかない。厳しい環境の中でも、久世由美子コーチ(69)との猛練習で力を付け、世界のトップスイマーとして名を残すまでになった。
自身4度目となる大舞台に「4回も出られるとは思ってなかった」と感慨深げに話す。32歳。五輪は最後と明言している。「このオリンピックを最高のものにしたい」。集大成の舞台に立つ。
(2016年07月26日付紙面より)