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【コトバのチカラ】「五輪に挑戦できるのは幸せなこと 人生を懸けて金メダルを取る」空手 西村拳さん

2021年8月3日

2019年のプレミアリーグ東京大会でアガイエフを攻める西村拳=日本武道館

「五輪に挑戦できるのは幸せなこと 人生を懸けて金メダルを取る」

 本気で空手と向き合うようになったのは、中学1年からだ。組手男子75キロ級の西村拳(チャンプ、宮崎第一高出)は、2008年に東京であった世界選手権を観戦。70キロ級と無差別級の2階級で、ラファエル・アガイエフ(アゼルバイジャン)が優勝するのを目撃した。「鳥肌が立った。あんな技をやってみたい」

 福岡県出身の25歳。父・誠司さんは空手の元世界王者で、物心ついた頃から道場に通った。“スーパースター”アガイエフから刺激を受けた少年は稽古に励み、中学3年で国際大会出場。さらなる強さを求め、強豪校の宮崎第一高に進んだ。

 2年の全国高校総体で個人と団体の2冠を達成。国体は2、3年の時に2連覇した。順調に成長を重ね、近畿大3年で迎えた、2016年のプレミアリーグ。憧れのアガイエフとの初対戦を勝利で飾り、大会も制した。

 180センチの長身。接近戦でも放てる得意の上段蹴りを武器に、その後も着実にステップアップ。初出場した18年の世界選手権では個人、団体で銅メダルを獲得した。「生ける伝説」とも呼ばれるアガイエフとの対戦成績も、7勝1分け1敗と大きく勝ち越す。

 東京五輪で初めて実施される空手は、次のパリ大会では行われない。「最初で最後」の可能性もある五輪に出場する-。だからこそ、思いは強い。「五輪に挑戦できるのは幸せなこと。人生を懸けて金メダルを取る」

(2021年07月16日付紙面より)

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