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【コトバのチカラ】「勇気を出して 楽しみながら やってみよう。好きなんだから」スケートボード スカイ・ブラウンさん

2021年8月4日

スケートボードの東京五輪予選対象大会「デュー・ツアー」に出場したスカイ・ブラウンさん=5月、米アイオワ州(インスタグラムから)

「勇気を出して 楽しみながら やってみよう。好きなんだから」

 4日に行われる東京五輪のスケートボード・女子パークに、本県で生まれ育ったスカイ・ブラウンさん(13)が英国代表として出場する。メダル候補で、インスタグラムのフォロワー数は90万人超という注目選手の一人。母・美枝子さん=米カリフォルニア州=は「いつもの笑顔を絶やさず楽しんでほしい」と語る。

 スカイさんは、サーフィン環境が気に入り本県に移り住んだ、英国出身の父・ストゥーさんと美枝子さんとの間に生まれた。小学3年のとき、家族で宮崎市から高鍋町へ。日本語名は澄海(すかい)で、高鍋東中に籍を置く1年生。

 ストゥーさんがスケートボードもしていたため身近にボードがあり、幼いころから遊んでいた。同町では波があれば蚊口浜でサーフィン、それ以外のときは大人や子どもに交じってスケートボードを楽しんでいた。

 スカイさんにとってスケートボードは「体の一部」。スピードや自由になれる感覚が好きという。7歳のとき米国の世界大会で好成績を収め、プロとして世界各国を巡る生活となった。大会出場や新型コロナウイルス感染拡大の影響で2019年夏以降、高鍋町には戻っていないという。

 「Be brave Have fun Do it 'Cause you love it(勇気を出して 楽しみながら やってみよう。好きなんだから)」。スカイさんのヘルメットに書かれた言葉で自身のモットーだ。昨年5月、練習中に頭蓋骨骨折などの大けがを負ったが、それを乗り越えて英国史上最年少の夏季五輪代表となった。

 ラーメンやうどんなど和食が大好きで、ダンスやキックボクシング、ギターなど興味の幅は広い。自身がデザインしたスケートボードの売り上げの一部を貧困支援団体に寄付するなど慈善家としての一面もある。

 五輪出場のため7月26日に日本へ渡ったスカイさんにはストゥーさんが同行。美枝子さんは長男オーシャン君(9)と画面越しで応援する予定。「スカイは宮崎が大好きで、応援してくれる人もいる。滞在中はコロナが心配だが、五輪を楽しんでほしい」と見守っている。

本県関係者エール

 スカイ・ブラウンさん(13)を知る高鍋町の関係者もエールを送る。

 サーフショップ・イーストリバー代表の東川泰明さん(43)は、サーフィンを通じてブラウン一家と知り合った。親子で蚊口浜を訪れ、波に乗っていたという。スカイさんについて「サーフィン、スケートボードどちらも、一つの技ができるまで打ち込んでいた」と振り返る。

 高鍋東小3年のとき担任だった内田理惠子さん(58)=西都市・茶臼原小教諭=は「宿題も掃除も一生懸命。頑張り屋でチャレンジ精神があった」と語る。

 3年のときに登校したのは半分ほどだったが、印象的だったのは「ヒマワリのような笑顔」。いつもにこにこしていて、怒ったり困ったりしたところを見たことはなかったという。「大けがをしたと聞いたが、五輪代表になれて良かった。ぜひ自分らしく頑張ってほしい」と話している。

(2021年08月02日付紙面より)

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