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【コトバのチカラ】「勝つと周りが喜んでくれるのがうれしい」陸上 外山愛美さん

2021年8月31日

0・1秒でも速く-。世界トップとの差を縮めようと疾走する=7月、宮崎市錦本町・県有グラウンド

「勝つと周りが喜んでくれるのがうれしい」

 真っ黒に日焼けした肌は、その練習量を物語る。宮崎市錦本町の県有グラウンド。西日を受け、1人黙々とトラックを駆け抜ける。時折、バッグからノートを取り出し練習メニューを確認する。正直、きつい練習からは逃げたくなるときもある。それでも「速く走れるようになりたい」とメニューをこなした。

 宮崎銀行所属。陸上女子知的障害200メートルと400メートルで日本記録を持つ。専門の400メートルで初めて記録を出したのは2017年。それから3度、自身の記録を塗り替えてきた。東京パラリンピックに出たい-。聞かれればそう答えるが、原動力は「勝つと周りが喜んでくれるのがうれしい」という純粋な思いだ。

 東京をたぐり寄せる当面の目標は、58秒55のアジア記録。自己ベストより1秒弱速く、世界トップは56秒台とさらに先にいる。短距離の中で最も過酷といわれる400メートル。1秒縮めるのも、容易ではない。スタート直後の加速、後半もスピードを維持する持久力…。国内最速でも課題はまだまだ多い。

 22日、国際大会でしのぎを削ってきたポルトガルの選手がヨーロッパの大会で57秒台を出し、先を越された。「負けるのは怖い…」。“マイペース”なランナーの闘争心に火が付いた。

(2018年08月29日付紙面より)

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