2019年の世界選手権男子73キロ級で優勝した大野将平選手(上)=日本武道館
「自分が負ける姿を想像して稽古してきた」
「自分が負ける姿を想像して稽古してきた。つらく、苦しいが勝ち続けるために必要」。今回の柔道日本代表で唯一、五輪2連覇が懸かる男子73キロ級の大野将平選手(旭化成)は、そう語る。2014年を最後に、海外勢に負けていない絶体王者。研究し尽くされても、その上を行く作業を地道に積み重ねる。
山口県出身。中学、高校は東京の柔道私塾「講道学舎」、その後天理大へ進んだ。発祥国の柔道家であることに誇りを持ち、正しく組んで投げる「美しさ」を追求。19年の世界選手権ではその思いを体現し、全6試合で一本勝ちした。
「本番では調子が悪いという心づもりで臨む」と、想定外の事態も想定。「全身全霊を懸け、最高の結果を出す」
(2021年7月21日付紙面より)