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【コトバのチカラ】「状況はどうであれ、全力を尽くす」 ハンドボール 原希美さん

2021年9月2日

【日本―アンゴラ】後半、ディフェンスする原(24)ら=国立代々木競技場

「状況はどうであれ、全力を尽くす」

 17―23の後半18分。ハンドボール女子原希美主将の執念がほとばしる。アンゴラのパスに手を伸ばして日本ボールとすると、一目散に前線へ。相手に競り勝ってロングパスを受け取り、強烈なシュートをたたき込んだ。「日の丸を背負っている。状況はどうであれ、全力を尽くす」。最後まで諦めず、チーム最多の6点をマークした。

 ウルリック・キルケリー監督が攻撃以上に評価しているのが、体を張った守備だ。今大会も身長170センチの自分より大きい相手に食らい付いて中央突破を防ぎ、パスカットで好機を演出している。

 16歳以下など各年代の代表に選出されてきた。宮崎学園高時代から、合宿や遠征などを通じ、運動能力やテクニックで勝てない相手がいると感じた。一方で「大柄でシュートは打てても、守備ができない選手もいる。自分は守備を鍛えて(代表に)残ろうと思った」。

 攻守両面で走り回るのはきついが、歯を食いしばって頑張ってきた。「負けず嫌い。何ごとに対しても、全力を出すのが当たり前」。小学生から目指してきた夢舞台で「自分」を出している。

 「絶対に落としてはいけない」試合に敗れ、準々決勝進出は厳しい状況となり「言葉にならない悔しさ」と奥歯をかんだ。最終戦は2日、2019年世界選手権4位のノルウェーと対戦する。「可能性は残っている。最善の準備をし、強い気持ちで戦う」と力を込めた。

(2021年8月1日付紙面より)

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