ホーム 特集 新燃岳噴火

新燃岳噴火

一覧

「土石流対策万全に」 大学教授ら危険渓流を視察

2011年3月22日
 霧島連山・新燃岳(1421メートル)の災害予測や防災対策につなげようと、九州の国立大学の教授らが21日、2日間の日程で合同の現地調査を始めた。同日は、都城市内の火山灰処分場と土石流の恐れがある危険渓流を視察した。

 調査に訪れたのは、九州の大学が連携して自然災害の防災に取り組む「防災環境ネットワーク部会」のメンバーが中心。九州、宮崎、熊本大など5校から14人が参加した。

 21日は土石流の発生が懸念される危険渓流など火口から6~17キロの3カ所を巡回。このうち、荒川内川では国土交通省宮崎河川国道事務所の職員から除石工事の進み具合や土石流を感知するセンサーの設置など対策を聞いた。

 九州大工学研究院の善功企教授(地盤防災)は「今後は梅雨に入るため、一番の課題は土石流対策。現時点で関係機関はしっかりと対策を講じているとの印象を受けた。ただ土石流問題は進行形。降灰量の正確なデータをつかみ今後に生かすことが大切」と話した。

 調査団は22日、高原町内の砂防ダム3カ所を視察後、県庁で記者会見。各関係機関に学術的観点から助言を行う。同ネットワーク部会は来年度も新燃岳の火山災害について調査研究を進めるという。

【写真】新燃岳の土石流対策について現地で説明を受ける九州の国立大教授ら