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全国の被災体験者助言 都城、高原で住民と意見交換

2011年3月14日
 火山災害の被災者や専門家らが新燃岳被災者と意見交換する「被災地車座トーク」が13日、都城市高野町の西岳地区公民館であった。被災体験者たちは、集まった地区住民約65人に今後の避難生活などについてアドバイスした。

 日本災害復興学会復興支援委員会、関西学院大災害復興制度研究所が主催。雲仙普賢岳(長崎県)、三宅島(東京都)、有珠山(北海道)、桜島(鹿児島県)の噴火経験者や大学教授ら専門家16人が参加した。

 鹿児島大農学部の地頭薗隆准教授(砂防学)は土石流について説明。雲仙普賢岳の土石流の映像を流し、「数十トンの石が流れ、同じ渓流で2時間27回、土石流が発生した。火山の土石流は連続して起こり破壊力もすごい。新燃岳でも数年続くと考えないといけない」と説明した。

 ネットワーク三宅島の宮下加奈代表は「避難勧告が空振りして良かったと思えるように気持ちを切り替えることも大事」と呼び掛け。NPO洞爺にぎわいネットワークの福井政吉理事長は「避難所では自治会をつくって掃除当番を決めるなど役割分担して過ごした」と紹介し、NPO島原普賢岳の大町辰朗理事長は「行政はあてにできない。自分の財産は自分で守るしかない」として住宅保険の加入を急ぐよう促した。

 都城市御池町の養鶏業下萩原健一さん(53)は「避難所での過ごし方などの話が聞けて良かった」と話していた。車座トークは同日午後、高原町でも行われた。

【写真】県外の噴火災害の被災者が避難体験などを語った被災地車座トーク