避難指針を明示 コアメンバー第5回会合
2011年3月11日
国や県、周辺7市町、学識経験者らが霧島連山・新燃岳(1421メートル)の噴火災害対策について話し合う「コアメンバー会議」の第5回会合は10日、高原町であった。噴火警戒レベルの引き上げに伴う避難計画の指針を提示。噴火警戒レベル4(避難準備)で避難準備情報を発表、5(避難)で避難勧告・指示を発令するとの基準を設けた。指針を基に、高原町は同日、噴火活動が活発化した場合の避難計画の素案を示した。避難対象者や避難経路、避難にかかる時間をリスト化するなど具体的な内容になっている。
指針は、周辺市町に噴火活動に伴う実践的な避難計画がなかったことから、先月7日に本県入りした政府支援チームが中心となり作成。避難準備情報や勧告、指示は「首長が住民の安全確保のため必要と判断した場合も発令する」としている。「霧島火山防災マップ」で火砕流や熱風、噴火に伴う大きな噴石の危険性がある高原町と小林市、鹿児島県霧島市に避難計画の作成を促す。
このうち、指針作成と平行して避難計画を練っていた高原町と霧島市は同日の会議で素案を提示した。同町の素案によると、避難の対象者は花堂区4世帯9人、北狭野区11世帯29人、南狭野区31世帯73人の計111人(うち、災害時要援護者は8人)。避難所は南狭野活性化センター、佐土公民館、北狭野神武ふるさと館で、避難手段は原則徒歩と自家用車と明記した。
地区ごとの避難ルートや避難にかかる時間をまとめた地図も盛り込まれている。噴火で避難経路が閉ざされた場合は、警察や自衛隊に装甲車やヘリコプターの支援を要請するとしている。
住民や自治体が取るべき行動や留意点も記し、避難後の対応では「避難が長期化すると住民の精神的負担が大きくなるため、ボランティアや救援物資などの受け入れ態勢を整えることが必要」としている。
同町は今後、素案を精査、修正した上で地域防災計画に反映する予定。日高光浩町長は「これを活用すれば避難基準を町民に分かりやすく説明できる。町民の身体生命を守ることが第一なので、いざというときの備えにつなげられる」と強調した。
コアメンバー会議では土石流発生時の避難計画の指針もまとめた。土石流の避難計画では、避難基準雨量や対象範囲を定める必要があると指摘。「土石流の危険渓流の範囲や危険度は降灰の状況で変わる」として「常に更新しなければいけない」としている。降灰被害が深刻な周辺市町は、指針を基に避難計画を作成する見込み。
【写真】新燃岳の噴火災害に対する避難計画の指針をまとめたコアメンバー会議=10日午後、高原町
■10日の状況■
霧島連山・新燃岳(1421メートル)では10日、噴火はなかった。鹿児島地方気象台によると、午後3時ごろ、水蒸気を含む白い噴煙が火口の縁から最大200メートルの高さまで上がったのが確認された。
指針は、周辺市町に噴火活動に伴う実践的な避難計画がなかったことから、先月7日に本県入りした政府支援チームが中心となり作成。避難準備情報や勧告、指示は「首長が住民の安全確保のため必要と判断した場合も発令する」としている。「霧島火山防災マップ」で火砕流や熱風、噴火に伴う大きな噴石の危険性がある高原町と小林市、鹿児島県霧島市に避難計画の作成を促す。
このうち、指針作成と平行して避難計画を練っていた高原町と霧島市は同日の会議で素案を提示した。同町の素案によると、避難の対象者は花堂区4世帯9人、北狭野区11世帯29人、南狭野区31世帯73人の計111人(うち、災害時要援護者は8人)。避難所は南狭野活性化センター、佐土公民館、北狭野神武ふるさと館で、避難手段は原則徒歩と自家用車と明記した。
地区ごとの避難ルートや避難にかかる時間をまとめた地図も盛り込まれている。噴火で避難経路が閉ざされた場合は、警察や自衛隊に装甲車やヘリコプターの支援を要請するとしている。
住民や自治体が取るべき行動や留意点も記し、避難後の対応では「避難が長期化すると住民の精神的負担が大きくなるため、ボランティアや救援物資などの受け入れ態勢を整えることが必要」としている。
同町は今後、素案を精査、修正した上で地域防災計画に反映する予定。日高光浩町長は「これを活用すれば避難基準を町民に分かりやすく説明できる。町民の身体生命を守ることが第一なので、いざというときの備えにつなげられる」と強調した。
コアメンバー会議では土石流発生時の避難計画の指針もまとめた。土石流の避難計画では、避難基準雨量や対象範囲を定める必要があると指摘。「土石流の危険渓流の範囲や危険度は降灰の状況で変わる」として「常に更新しなければいけない」としている。降灰被害が深刻な周辺市町は、指針を基に避難計画を作成する見込み。
【写真】新燃岳の噴火災害に対する避難計画の指針をまとめたコアメンバー会議=10日午後、高原町
■10日の状況■
霧島連山・新燃岳(1421メートル)では10日、噴火はなかった。鹿児島地方気象台によると、午後3時ごろ、水蒸気を含む白い噴煙が火口の縁から最大200メートルの高さまで上がったのが確認された。