急傾斜、少雨で土石流発生 専門家「雨量多いと下流に」
2011年3月9日
霧島連山・新燃岳(1421メートル)の南東にある高千穂峰(1574メートル)南側斜面で、一連の噴火活動が始まって以来初めて見つかった土石流の痕跡。少量の雨で発生した可能性が高く、降灰による土石流は雨が少なくても起きることをあらためて示した形となった。専門家は「降灰量が多く、傾斜が急なため」と分析。「雨量によっては下流に達することが考えられる」と注意を呼び掛けている。
土石流調査は、国土交通省九州地方整備局が2月18日に、高千穂峰山頂付近で黒い筋を見つけたことから土木研究所(茨城県)が3月3日に実施。長さ数百メートル以上、幅5メートル以上、厚さ数十センチにわたって痕跡を確認した。2月18日時点と形状がほとんど変わっていないことから、同17日以前の雨でできたとみている。
しかし、新燃岳周辺の2月17日までの降雨量は最多だった同日でも24時間雨量25ミリ、1時間最大雨量4ミリ。宮崎大学の清水収准教授(砂防学)は「大雨による土石流は1時間雨量30、40ミリで起きやすい。今回、少雨で発生した原因は降灰の量が多く、現場の傾斜が急であったため」と分析。3月6日にも24時間に30ミリ程度の雨が降っていることから「初確認されたものと同程度の土石流が発生していても不思議ではない」と話す。
これまで避難勧告につながる基準雨量を2回変更してきた都城市危機管理課の桑山英久課長は「いつかは土石流が発生すると考えていたので想定の範囲内。ただ、今後は雨の多い季節になるので、警戒は続けたい」と、現段階で基準の見直しなど具体的な対応は考えていないことを説明。高原町も基準の見直しは考えていないという。
鹿児島大学の下川悦郎教授(砂防工学)は「今回と同規模の土石流は今後も起こる可能性があるが、警戒すべきは災害につながるような下流まで達するもの。雨量が多いほど危険性が増す。今後も降雨量と土石流の発生状況(規模)のデータを注意深く監視していく必要がある」と強調する。
■灰除去作業中に男性転落、負傷 都城
都城市は8日、同市山田町山田の男性(74)が5日午後3時ごろ、近くの知人宅車庫の屋根で灰の除去作業中に屋根を踏み抜き、高さ約4メートル下のアスファルトに転落、頭などを負傷したと発表した。
土石流調査は、国土交通省九州地方整備局が2月18日に、高千穂峰山頂付近で黒い筋を見つけたことから土木研究所(茨城県)が3月3日に実施。長さ数百メートル以上、幅5メートル以上、厚さ数十センチにわたって痕跡を確認した。2月18日時点と形状がほとんど変わっていないことから、同17日以前の雨でできたとみている。
しかし、新燃岳周辺の2月17日までの降雨量は最多だった同日でも24時間雨量25ミリ、1時間最大雨量4ミリ。宮崎大学の清水収准教授(砂防学)は「大雨による土石流は1時間雨量30、40ミリで起きやすい。今回、少雨で発生した原因は降灰の量が多く、現場の傾斜が急であったため」と分析。3月6日にも24時間に30ミリ程度の雨が降っていることから「初確認されたものと同程度の土石流が発生していても不思議ではない」と話す。
これまで避難勧告につながる基準雨量を2回変更してきた都城市危機管理課の桑山英久課長は「いつかは土石流が発生すると考えていたので想定の範囲内。ただ、今後は雨の多い季節になるので、警戒は続けたい」と、現段階で基準の見直しなど具体的な対応は考えていないことを説明。高原町も基準の見直しは考えていないという。
鹿児島大学の下川悦郎教授(砂防工学)は「今回と同規模の土石流は今後も起こる可能性があるが、警戒すべきは災害につながるような下流まで達するもの。雨量が多いほど危険性が増す。今後も降雨量と土石流の発生状況(規模)のデータを注意深く監視していく必要がある」と強調する。
■灰除去作業中に男性転落、負傷 都城
都城市は8日、同市山田町山田の男性(74)が5日午後3時ごろ、近くの知人宅車庫の屋根で灰の除去作業中に屋根を踏み抜き、高さ約4メートル下のアスファルトに転落、頭などを負傷したと発表した。