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「1時間10ミリ以上」 都城市の避難の基準引き上げ

2011年3月5日
 都城市は4日、霧島連山・新燃岳(1421メートル)の降灰による土石流災害に備えた避難勧告発令基準を「1時間10ミリ以上の雨量が予想されるとき」に修正したと発表した。国土交通省九州地方整備局が土石流発生の危険性がある雨量基準を1時間当たり4ミリ以上から10ミリ以上に引き上げたのに合わせた措置。同時に、避難準備情報発表基準も「避難勧告が予想されるとき」に変更した。いずれも同日から適用する。

 同整備局は1日、2月27日から同28日未明にかけて、1時間に9~10ミリの雨が降ったものの、土石流が確認されなかったことなどから、雨量基準を見直した。市はこの決定を受けて「1時間雨量4ミリに達した後、1時間雨量4ミリ以上が継続したとき」としていた避難勧告発令の基準見直しを検討。「1時間10ミリ以上の雨量が予想されるとき」に修正した。

 決定には、このほか気象台や民間の予報データ、河川水位、現地の降雨状況などを参考に総合的に判断する。また、市は西岳地区や山田町の避難対象地域について、高台や川から離れた場所にある世帯を外すなど、対象者の絞り込みを進めていることを明らかにした。

 市の基準見直しは今回で2回目。長峯誠市長は「人命第一の軸足は外さず、これまでの経験を基に基準を設定した。結果的に住民の負担軽減につながるのは喜ばしい」と話した。

 高原町も同市と同様、基準見直しを進めているが、堆積した灰の量が同市と異なるため基準の統一は見送り、独自の基準策定を検討している。

■活動は依然活発

 新燃岳は4日昼ごろまで小規模な噴火が続いた。鹿児島地方気象台によると、午前10時39分には、噴煙が火口の縁から約300メートルの高さまで上がった。同11時ごろ、火山灰を含む有色噴煙から水蒸気が中心の白い噴煙に変わるのを確認した。

 火山性地震は39回(午後3時現在)を記録。2日の火山ガスの観測では、1日当たりの二酸化硫黄の放出量が1300トンとやや多い状態で「火山活動は依然として活発」という。

 気象庁による4日の上空からの調査では、火口に蓄積された溶岩の大きさは前回調査(2日)と比べて変化はなかった。