災害の実態知って 小中2校、火山灰や本紙展示
2011年3月4日
(2011年3月4日付)
「新燃岳」の現状知って―。東京都西東京市で学校図書館専門員を務める村上太郎さん(53)が、火山灰や噴火災害を報じる新聞を宮崎から取り寄せ、同市の明保中学校と東小学校の図書館に展示している。
子どもたちは遠い地での噴火に関心を寄せ、関連図書を読むなど学習している。
新燃岳噴火の報道が東京でも続いたことを受け、村上さんは子どもたちに現在起きている自然現象や災害に関心を持ってもらおうと、宮崎市に住む親類に火山灰、新聞の送付を依頼。親類が鹿児島県霧島市で収集した火山灰と、一連の噴火を報じる宮崎日日新聞が届いた2月上旬に両校で展示を始めた。
このうち明保中では、3階の図書館に容器に入れた火山灰を置き、「溶岩ドーム直径500メートル」(2月1日付)、「最大規模の爆発的噴火」(同2日付)の見出しが付いた新聞の切り抜きを展示。被害の実態を知らせる記事も手に取れるようにしているほか、火山活動を紹介する学習図書を並べた。スプーンで灰をすくったり、本で火山を調べたりする生徒もいるという。
1年生の女子生徒(12)は「ニュースで新燃岳を初めて知った。火山灰は思ったよりさらさらしている」と、噴火を少し身近に感じた様子。村上さんは「子どもたちが噴火をきっかけに世の中のできごとに関心を持ち、読書などの主体的な学習につなげてもらえればうれしい」と話している。
【写真】新燃岳の火山灰や噴火を報じる宮崎日日新聞を展示している明保中の図書館=3日午後