えびの高原積極的PRできず 共存へ施設連携し安全策
2011年7月25日
噴火活動が本格化して26日で半年を迎える霧島連山・新燃岳。3月1日以降、爆発的噴火は起きておらず、夏山シーズンや夏休みに入ったことで周辺の観光地には客足が戻りつつある。しかし、いつ爆発的噴火が起きるか分からない懸念は変わらない。年間約80万人が訪れる県西地域で指折りの観光名所、えびの高原(えびの市)の関係者は「積極的にPRできない」とジレンマを抱える。
えびの高原の土産物店「足湯の駅えびの高原」は今月に入り、涼を求める行楽客の姿が増え、どん底で例年の2~3割に落ち込んだ売り上げが7割まで回復している。登山客に人気の韓国岳(1700メートル)の登山規制は続いているが、4月から閉鎖しているレストランの再開も検討する。だが、先行き不安は消えない。黒木九州男店長は「終息しない限り、見通しは分からない」と語る。
こうした現実を見詰め、降灰や噴石と観光の共存を図ろうと、高原の公共・商業施設は連携して施設周辺の客を避難誘導する体制を整えている。6月29日の噴火では初めて実践した。自主防災組織を設立する予定もある。
えびのエコミュージアムセンターでは、上空の風向き予想と前日の火山性地震回数を掲示して情報提供に努める。えびの自然保護官事務所の森川政人保護官は「安全という言葉を使ってPRはできないが、被害に遭わない対策を取っていることで客足を呼び込みたい」と語る。
高原町の皇子原公園と御池キャンプ場は、噴火で施設閉鎖した後に4月までに営業再開したが、昨年の口蹄疫の発生時よりも打撃を受けている。町観光協会によると、高千穂峰の登山禁止が続いていることが響き、若干持ち直しているが厳しい状況に変わりはないという。町内の温泉施設は「徐々に戻りつつある。今後に期待したい」と話す。
一方、年間約50万人が訪れる都城市の高千穂牧場はこれまでに降灰被害はほとんど確認されていない。2月の来場者は例年の6、7割に減少し、その後も天候不順などで伸び悩んでいたが、今月に入り状況が好転。これからは例年並みに回復する見通しという。宮元広管理部長は「新燃岳の影響は少ない」と見ている。
【写真】えびの高原の足湯を楽しむ家族連れら。新燃岳の噴火が活発化していた時期に比べて客足は戻りつつある=24日午前、えびの市
えびの高原の土産物店「足湯の駅えびの高原」は今月に入り、涼を求める行楽客の姿が増え、どん底で例年の2~3割に落ち込んだ売り上げが7割まで回復している。登山客に人気の韓国岳(1700メートル)の登山規制は続いているが、4月から閉鎖しているレストランの再開も検討する。だが、先行き不安は消えない。黒木九州男店長は「終息しない限り、見通しは分からない」と語る。
こうした現実を見詰め、降灰や噴石と観光の共存を図ろうと、高原の公共・商業施設は連携して施設周辺の客を避難誘導する体制を整えている。6月29日の噴火では初めて実践した。自主防災組織を設立する予定もある。
えびのエコミュージアムセンターでは、上空の風向き予想と前日の火山性地震回数を掲示して情報提供に努める。えびの自然保護官事務所の森川政人保護官は「安全という言葉を使ってPRはできないが、被害に遭わない対策を取っていることで客足を呼び込みたい」と語る。
高原町の皇子原公園と御池キャンプ場は、噴火で施設閉鎖した後に4月までに営業再開したが、昨年の口蹄疫の発生時よりも打撃を受けている。町観光協会によると、高千穂峰の登山禁止が続いていることが響き、若干持ち直しているが厳しい状況に変わりはないという。町内の温泉施設は「徐々に戻りつつある。今後に期待したい」と話す。
一方、年間約50万人が訪れる都城市の高千穂牧場はこれまでに降灰被害はほとんど確認されていない。2月の来場者は例年の6、7割に減少し、その後も天候不順などで伸び悩んでいたが、今月に入り状況が好転。これからは例年並みに回復する見通しという。宮元広管理部長は「新燃岳の影響は少ない」と見ている。
【写真】えびの高原の足湯を楽しむ家族連れら。新燃岳の噴火が活発化していた時期に比べて客足は戻りつつある=24日午前、えびの市