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新燃岳噴火活動が低下 警戒レベル3は維持

2011年6月8日
 火山噴火予知連絡会(会長、藤井敏嗣東大地震研究所名誉教授)は7日、気象庁で例会を開き、4月18日を最後に噴火していない霧島連山・新燃岳(1421メートル)について、「噴火活動は低下してきている」との検討結果をまとめた。しかし、マグマの供給活動は続いており、再び活発化する可能性もあるとして、気象庁は現在の警戒レベル3(入山規制)を引き下げる状況にないと判断。引き続き、噴石や土石流への警戒を呼び掛けている。

 2月15日の例会以降の観測データなどを基に検討。その結果について、藤井会長、石原和弘副会長、気象庁の山里平火山課長が記者会見を開いて報告した。

 新燃岳では、1月26日から2月1日にかけての本格的なマグマ噴火に比べ、2月中旬以降は噴火の規模や頻度が低下。爆発的噴火は3月1日、爆発的噴火を除く主な噴火は4月18日を最後に発生していない。新燃岳直下のマグマの動きを反映していると推定される山体の傾斜変化も5月1日以降見られなくなり、浅部の火山性地震の回数も5月以降はやや減少。二酸化硫黄の放出量も1日数百トン以下と少ない状態で経過している。

 これらのことから、同連絡会は新燃岳の噴火活動は低下していると判断。しかし、北西地下深くのマグマだまりへのマグマの供給は続いており、多量のマグマが上昇すれば、本格的な噴火活動を再開する可能性はあるという。

 また、降り積もった火山灰には水はけの良い軽石が多いものの、大雨の際には土石流の恐れがある。

 藤井会長は「一見静穏に見えるが、山頂には液体マグマがあり、地下水と反応してマグマ水蒸気爆発が起こる可能性もある。警戒レベルを下げる状況にはない」と話した。