雨量少なく土石流発生なし 引き続き警戒呼び掛け
2011年5月31日
土石流発生の恐れがある霧島連山・新燃岳(1421メートル)周辺では、27~29日にかけて本格的噴火以降、最多となる100ミリ超の雨を観測したが、発生は確認されなかった。専門家は「データの蓄積がなく原因の分析は難しい」としながら「総雨量の割に短時間雨量が少なかったからでは」などと推測。「新燃岳が土石流の起きにくい山というわけではない」とあらためて注意を呼び掛けている。
宮崎地方気象台によると、27~29日の都城市山田の総雨量は137ミリだったが、1時間当たりの最大雨量は14ミリにとどまった。
土石流が発生するメカニズムに詳しい土木研究所(茨城県)の石塚忠範上席研究員は「時間雨量が少ないのが幸いしたのではないか」とみる。石塚上席研究員によると、同じ量の雨でも短時間に激しく降る雨の方が、長時間をかけて降る雨より水が地表を流れやすく、土砂を押し流す力が大きくなる。そのため土石流の危険度が増すという。
一般的に火山灰の粒子は細かく、水分が浸透しにくいため、少ない雨でも土石流が発生しやすいとされる。三宅島では1時間雨量4ミリ、雲仙普賢岳では同7~8ミリの雨で発生した。
石塚上席研究員は、土石流が発生する要因として雨量のほかに地形や地質を挙げ「粒が細かい三宅島の火山灰に対し、新燃岳の灰は粗いものも多い。粒が粗いと雨水が地中に浸透し、土石流が発生しにくい一因になっている可能性はある」と推測する。
九州大学の善功企教授(地盤防災)は3月下旬の新燃岳の現地調査で、雨で火山灰の表面が固まっている「モルタル化」現象を確認した。「固まったことで、ある意味安定したため、弱い雨であれば、流れにくくなっているのかもしれない」。ただ、今後の強い雨で、固まりごとすべり落ちる可能性もあるという。
善教授は「新燃岳は渓谷が急な箇所もあり、決して土石流が起きにくい山というわけではない」と警鐘を鳴らす。
宮崎地方気象台によると、27~29日の都城市山田の総雨量は137ミリだったが、1時間当たりの最大雨量は14ミリにとどまった。
土石流が発生するメカニズムに詳しい土木研究所(茨城県)の石塚忠範上席研究員は「時間雨量が少ないのが幸いしたのではないか」とみる。石塚上席研究員によると、同じ量の雨でも短時間に激しく降る雨の方が、長時間をかけて降る雨より水が地表を流れやすく、土砂を押し流す力が大きくなる。そのため土石流の危険度が増すという。
一般的に火山灰の粒子は細かく、水分が浸透しにくいため、少ない雨でも土石流が発生しやすいとされる。三宅島では1時間雨量4ミリ、雲仙普賢岳では同7~8ミリの雨で発生した。
石塚上席研究員は、土石流が発生する要因として雨量のほかに地形や地質を挙げ「粒が細かい三宅島の火山灰に対し、新燃岳の灰は粗いものも多い。粒が粗いと雨水が地中に浸透し、土石流が発生しにくい一因になっている可能性はある」と推測する。
九州大学の善功企教授(地盤防災)は3月下旬の新燃岳の現地調査で、雨で火山灰の表面が固まっている「モルタル化」現象を確認した。「固まったことで、ある意味安定したため、弱い雨であれば、流れにくくなっているのかもしれない」。ただ、今後の強い雨で、固まりごとすべり落ちる可能性もあるという。
善教授は「新燃岳は渓谷が急な箇所もあり、決して土石流が起きにくい山というわけではない」と警鐘を鳴らす。