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蓮香さん一人が入学 噴火被害受けた夏尾中

2011年4月9日
 霧島連山・新燃岳(1421メートル)噴火の被害を受けた都城市の夏尾中(松脇一志校長)に8日、ただ一人の新入生となる長峯蓮香さん(12)が入学した。同校は全校生徒9人。降灰や土石流への不安はあるものの、在校生らは蓮香さんを笑顔で迎え入れた。

 入学式は同校多目的ホールであり、松脇校長は「何事にも積極的にチャレンジしてほしい」とあいさつ。真新しい制服に身を包んだ蓮香さんは「小学校から知っている優しい先輩方がいるので安心している。多くを学び、いろいろな事に挑戦して充実した中学校生活を送る」と誓いの言葉を述べた。

 同校は新燃岳の噴火活動が活発化した1月下旬以降、校舎の屋根や校庭などには3〜4センチの灰が積もったという。現在は灰が取り除かれ、ほとんど元に戻っている。

 蓮香さんの自宅は避難勧告区域内で、土石流の恐れがあるため、これまで2回避難を経験したという。式後、担任教諭から当分の間、噴火に備えて車での送迎をするよう伝えられた。母佐和子さん(42)も「蓮香には噴火に負けず、明るく前向きに過ごしてほしい」とエールを送り、蓮香さんも「大好きな絵をたくさん描き、勉強も頑張って3年間を楽しみたい」と話していた。

 県教委によると、県内の市町村立小中学校の入学予定者数(1日現在)は、小学校が1万44人(前年度比91人減)、中学校が1万392人(同361人減)。中学校の入学式は8日がピークで、小学校は11日が最も多い。

【写真】夏尾中の入学式で誓いの言葉を述べる長峯蓮香さん