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鳥インフルエンザ

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終息予断許さず 清浄化最短来月11日

2011年2月21日
 宮崎市佐土原町の養鶏場で県内の今季1例目となる高病原性鳥インフルエンザが発生してから、20日で1カ月が経過した。養鶏場では2市6町で12例が発生し、殺処分された鶏は約96万羽に上る。一方で、15日からは移動制限区域の解除も始まっており、21日午前0時には延岡市北川町の5例目養鶏場周辺に設定された移動制限区域を県が解除。解除は計3カ所となり、新たな発生がなければ3月11日には県内全域が清浄化する見通しだ。しかし、野鳥での感染・感染疑いが計7例と頻発しており、終息には予断を許さない状況が続く。

 県内の鳥インフルエンザは、宮崎市佐土原町の養鶏場で1月21日に簡易検査で陽性を確認後、今月6日の11例目まで短い間隔で発生。これらのウイルスはすべてH5N1型の強毒タイプと確認され、全国の発生と近いタイプとされている。

 この影響で、県内の大規模食鳥処理場(年間処理羽数30万羽以上)10カ所のうち、一時は6カ所が稼働を停止。しかし、制限の例外適用や移動制限解除により徐々に再開。稼働停止は20日現在で4カ所となっており、23日までに日向市の2カ所だけに減る見通しとなっている。全処理場の再開は、今後の発生がなければ3月1日となる。

 県は約40万羽の大量処分となった新富町の2例目を除き、家畜保健衛生所へ通報のあった翌日にはすべてで殺処分を完了。自衛隊への早期の災害派遣要請などにより、迅速な防疫措置を実現させている。現時点での最終発生は今月16日の延岡市北浦町。17日に発生鶏舎の防疫措置を終えており、新たな発生がなければ3月11日に県内すべての制限が解除可能となる。

 また、県は20日までに高千穂町の8例目養鶏場の周辺で実施した清浄性確認検査のすべてで陰性を確認し、半径5~10キロの搬出制限区域を同日解除した。移動制限区域の解除は28日の予定。延岡市北浦町の12例目養鶏場の周辺で行った発生状況調査(ウイルス分離検査)でも20日までに陰性を確認し、半径10キロの移動制限区域を同5キロに縮小し、同5~10キロを搬出制限区域とした。

 発生が1、2例にとどまっている他県と比較し、本県だけ件数が突出しているが、県畜産課は「現在のところ、養鶏場間の広がりはみられない。個々にウイルスが侵入している」と見解。各養鶏場に防疫徹底を呼び掛けている。