和歌山県は15日、同県紀の川市の養鶏農場で死んだ鶏10羽の一部を遺伝子検査し、高病原性鳥インフルエンザの感染を確認したと明らかにした。県によると、今冬に鳥インフルエンザの感染が家禽（かきん）で確認されたのは関西で初めて。

　感染確認を受け、県はこの農場で飼育されている鶏計約12万羽の殺処分を、450人の3交代制で15日夜から始めることを決定。半径10キロ以内を移動制限区域とし、区域内の11農家で飼育されている約2万5千羽の移動を禁止するほか、周辺農場も立ち入り検査し、消毒ポイントも設置する。

　農林水産省は、松木謙公政務官を現地に派遣。

　県によると、死んだ10羽のうちの5羽と、同じ鶏舎の生きている5羽を検査したところ、すべての鶏から高病原性のH5型が確認された。

　和歌山県はこの日夜、対策本部会議を開催。仁坂吉伸知事は会議後の記者会見で、殺処分支援のため自衛隊に出動要請する方針を明らかにし、「最大でも3日以内に終了したい」と述べた。また県畜産課は感染ルートに、野鳥が関与しているとの見方を示した。

　県内の養鶏農家には2日以降、農水省の指示で計約200万羽を対象に立ち入り検査を実施しており、この養鶏場にも7日、消毒に入ったり防鳥ネットを確認したりしたが、異常はなかった。