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続発で正常化限定的 鶏肉出荷苦境続く

2011年2月15日
 高病原性鳥インフルエンザの今季県内第1例となった宮崎市佐土原町の養鶏場周辺に設定された移動制限区域が15日に解除された。

 ただし、続発により同市から門川町まで八つの区域が重なる状況が続き、解除による正常化は限定的だ。また、日向市と児湯地域で稼働を停止している大規模食鳥処理場5カ所のうち、再稼働が可能になったのは新富町の1カ所にとどまる。

 生きた鳥や死骸、鶏卵の移動制限など、一連の防疫措置は国の防疫指針に沿って実施している。指針では発生直後に行う発生状況調査と、その10日後をめどに始める清浄性確認検査で異常がなければ、鶏舎消毒など防疫完了から21日後に制限を解除できる。

 それまでに各検査の結果を基に、移動制限区域の縮小と搬出制限区域の追加(1例目は1月29日)、21日間の経過を待たない搬出制限の解除(同2月12日)も可能だ。

 指針の中で、鶏卵出荷は発生状況調査で異常なしを確認し、選別・包装を行うGPセンターと出荷元が異常確認を徹底することを条件に、移動制限の例外とすることができる。県内でも、10日までに全11例の区域で“解禁”されている。鶏卵は洗浄することで感染リスクを排除できることも背景にある。

 一方で鶏肉出荷は苦境が続く。大規模食鳥処理場(年間処理30万羽以上)は、県内10カ所中4カ所が稼働を停止。指針では発生養鶏場から半径5キロ圏外なら制限の例外適用が可能だが、4カ所とも5キロ圏内。制限解除まで止めざるを得ない。

 特に日向市の処理場2カ所は、3例目発生(都農町)の影響で1月27日に停止。今月3日に再開したものの、9例目発生で6日から再停止している。川南、高鍋町の処理場は23日以降に再開できる見通しだが、県内全体の正常化は来月1日以降になる。

 県畜産課では「鶏を出荷できないだけでなく、次のひなを入れる日程も変わる。今後の食鳥処理の空白が生じる可能性もある」と生産スケジュールへの影響を懸念する。