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殺処分全額補償を 感染拡大で政府へ提言案

2011年2月9日
 高病原性鳥インフルエンザの感染拡大を受け、民主党は8日、鳥インフルエンザ対策本部(本部長・岡田克也幹事長)の会議を参院議員会館で開き、疑似患畜の殺処分に対する手当金(補償金)を現行の「(評価額の)5分の4」から全額に引き上げることなどを求める政府への提言案を承認した。また、本県での拡大要因に関し、防疫上の不備があらためて指摘された。

 国会議員ら約100人が出席。各省庁の担当者が対応を報告した後、質疑応答では本県だけで拡大が続く要因を問われ、農林水産省担当者は「疫学調査チームの報告では、農場のネットに穴や隙間があったり鶏舎にネズミが入ったりしていた他、地表を通った水をそのまま鶏に与えるなど、防疫上の問題が指摘されている」と説明。その上で「詳しい分析はまだだが、各農場で野鳥と直接、間接的に接触して発生したとみられる」との見解を示した。

 この他、議員からは「野鳥から(鶏など)家禽(きん)に鳥インフルエンザが伝染しているなら、家畜伝染病予防法(家伝法)改正案に野鳥対策を盛り込むべき」との指摘もあり、農水省担当者は「改正案には口蹄疫への対応の検証を反映させる予定だが、党のワーキングチームと協議する」と答えた。

 この後、本県や愛知県豊橋市からの要望も踏まえ(1)発生農場に殺処分を義務付ける以上、速やかな初動で感染拡大を防ぐため、手当金は全額を基本とする(2)全国の養鶏・養鶉(じゅん=ウズラ)農場に対し、例外なく防鳥ネット整備などの飼養衛生管理徹底を強力に指導する―などの政府への提言案を承認した。

 提言に盛り込まれた手当金の引き上げには家伝法改正などの手順が必要。党が前提とする引き上げ分を含めた国の全額負担の手法と併せ、党家畜伝染病対策ワーキングチームで論議を深める。