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1例目は強毒タイプ 今冬5道県検出型と近縁

2011年1月25日
 宮崎市佐土原町の養鶏場で確認された1例目の高病原性鳥インフルエンザについて、県などは24日、動物衛生研究所(動衛研・茨城県つくば市)で行った感染実験などの結果、強毒タイプのウイルスだったと発表した。遺伝子解析でも昨年10月以降に島根、鹿児島県など5道県で検出された型と極めて近縁であることが分かり、本県に侵入したウイルスも国内や韓国で発生しているH5N1型である可能性が高まった。41万羽の処分が必要な2例目の養鶏団地(新富町)については、防疫措置のために県が自衛隊に災害派遣を要請し、170人が同町に到着。25日から作業に当たる。

 動衛研は宮崎市で分離、送付されたウイルスを8羽の鶏に接種。8羽とも死んだことから、致死率の高い強毒タイプと判明した。これを受け、環境省は発生地の周辺10キロ圏内の野鳥警戒レベルを最も高い「3」に上げ、監視を強化する。

 強毒タイプと判明したことに、河野俊嗣知事は「既に強毒型を想定し、でき得る限りの対応をしている。農家や県民には、農場の消毒や消毒ポイントでの消毒に協力と理解を」とコメントした。

 1例目養鶏場では24日、鶏ふん埋却、鶏舎消毒など防疫措置が完了。飼育する1万240羽の焼却や同農場で生産した鶏卵6万個の密閉も終えた。鶏卵は市内の廃棄物処理施設で25日に焼却する。国の防疫指針では3週間後の来月15日にも移動制限の解除が可能になるが、2例目発生に伴って設定した制限区域と一部が重なっているため、解除の日程は流動的。

 一方、新富町の養鶏団地に派遣されるのは陸上自衛隊都城駐屯地(都城市)の170人。鶏の殺処分や鶏舎消毒などに当たる。県は24日午後6時までに41万羽のうち2万7千羽を殺処分したが、陸自などの参加で200人から最大450人に態勢を増強し、作業のペースアップを図る。

 県は1例目の発生に伴い、周辺の養鶏場や関連施設など53カ所を調査。目視では異常がなく、採取した血液などの検査で25日にもウイルスの有無が判明する。2例目でも24日から同様に、2日間で81カ所を調査。ウイルスが検出されなければ、農林水産省との協議を経て区域内の農家も鶏卵の出荷が可能になる。

【写真】高病原性鳥インフルエンザ感染疑いの2例目となった養鶏場で防疫作業に臨む作業員=24日午前、新富町三納代(県提供)