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【識者に聞く】早急に野鳥調査強化を 後藤義孝宮崎大農学部教授

2011年1月24日
 新富町三納代の養鶏場の鶏からも高病原性鳥インフルエンザウイルスが23日、検出された。今後の対応などについて、宮崎大農学部の後藤義孝教授(獣医微生物学)に聞いた。(聞き手報道部・草野拓郎)

 ―2日連続で養鶏場での感染疑いが確認された。1例目の養鶏場からは8・5キロ離れている。

 一ツ瀬川やため池など野鳥の飛来地が多く、周辺にウイルスを保有・媒介する野鳥が相当いる可能性が高いと考えられる。早急に野鳥のふんや死亡状況の調査を強化すべきだ。

 ―ウイルスの特性は。

 鳥同士の場合、感染力は非常に高い。ニワトリでは、突然激しい症状を出して集団で異常死する。ただ、アヒルやカモなどでは症状が軽く見つかりにくいというのも特徴だ。1、2例目とも発見・通報は早かったと思う。

 ―口蹄疫とはどこが異なるのか。

 口蹄疫は、ほこりなどに付着したウイルスを人や車が持ち出して地域内に広げる可能性が高いが、鳥インフルエンザはやはり野鳥に注意を払うのが最優先だ。ウイルス自体は消毒用アルコールで死滅するので、人のインフルエンザと対処は同じだ。

 ―野鳥やネズミなどが媒介する可能性が高く、感染防止には難しさもある。

 消毒や人の出入りの制限などしか防ぐ手だてはない。農場の外側には常にウイルスが存在するつもりで消毒してほしい。一般県民は農場には決して近づかず、野鳥の異常を見かけた場合は素早い通報を心掛けてほしい。

【写真】後藤義孝宮崎大農学部教授