ホーム 特集 鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザ

一覧

養鶏団地でも鳥フル 41万羽殺処分へ

2011年1月24日
 県は23日、新富町三納代の養鶏場で鶏から高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。県内では宮崎市佐土原町の養鶏場に次いで今回2例目。県は同日深夜、飼育する鶏6万6千羽の殺処分に着手した。同一敷地内で飼育する鶏も殺処分されることになり、対象は計41万羽となった。1例目確認の翌日だけに、県内に同時多発的にウイルスが侵入している可能性も出てきた。処分規模の大きさから、県は自衛隊に派遣を要請する方向で検討している。

 県対策本部(本部長・河野俊嗣知事)によると、養鶏場から宮崎家畜保健衛生所(家保)に23日午前、「鶏が20羽死んでいる」と通報があった。同家保で簡易検査したところ、6羽中5羽で陽性反応を確認。さらに同じ鶏で遺伝子検査を行ったところ、6羽中5羽から高病原性のH5亜型ウイルスを検出した。今後、ウイルスを分離して動物衛生研究所(茨城県つくば市)で確定診断を行う。

 同養鶏場は1例目の養鶏場から北東に8・5キロ。八つの採卵業者が集まる12棟の養鶏団地の一角にある。県は殺処分対象の範囲を農林水産省と協議。同一敷地で棟同士が近接していることから、12棟すべての処分が必要と判断した。死骸の数が多く、焼却に時間が掛かるため、埋却する。

 県は1例目発生を受け、22日に同農場に立ち入り検査を行ったが、目視で異常は確認されなかったという。簡易検査でも陰性だった。

 また、この養鶏場から半径10キロ圏内を移動制限区域に設定。91カ所が対象になり、最大で鶏300万羽と鶏卵などが移動を禁じられる。1例目発生に伴って設定された区域に川南、木城町が加わり、2市5町が含まれた。合計で約120カ所、最大400万羽が対象になる。

 県は23日に新富町役場へ現地対策本部(本部長・押川延夫農政水産部次長)を設置。資機材調達や埋却地確保などの防疫対策に当たる。また、県などは24日中に消毒ポイントを26カ所から37カ所に増設。このほか市町村が自主的に追加するポイントもある。

 河野知事は記者団に「3、4例目はないと期待しているが、最悪を想定して危機対応しなければならない」と語った。

【写真】投光器の明かりの中、埋却候補地の試掘を進める関係者ら=23日午後、新富町三納代