漁船入港期待と不安 福島沖の漁場解禁
2011年6月23日
東日本大震災により壊滅的な被害を受けた宮城県気仙沼市の気仙沼市魚市場が23日、約100日ぶりに再開する。22日は、福島第1原発事故の影響で操業できなかった福島県沖で放射性物質が基準を下回ったとして、水産庁がカツオ漁を解禁。市場では関係者が最終準備に追われた。カツオの北上が遅れ水揚げ時期は不透明だが、運営する気仙沼漁協は本県をはじめ全国のカツオ船団を、期待と不安を胸に待ち望んでいる。
「水産関係者の時計は3月11日で止まったまま」。同漁協の熊谷浩幸魚市場部長は、市場再開を復興に向けた大きな区切りと感じている。最初にがれきの山と化した魚市場を見た時、「いつになったら再開できるのか」と不安になっただけに、気仙沼全体がカツオの水揚げを復興のシンボルと捉えている。
宮城県と気仙沼市は22日、それぞれ、津波によって地盤沈下した水揚げ岸壁200メートルについて、急ピッチでかさ上げ工事を進めた現場の完成を確認。同漁協の職員は、カツオの水揚げを待つ地元水産業関係者からの電話対応に追われた。
同日は、水産庁が福島第1原発事故の影響で操業の自粛を要請していた北緯37度(福島沖)以北の西側でカツオ漁を解禁。21日は東側を解禁している。15、19日に漁獲したサンプルのカツオを調べた結果、放射性セシウム、放射性ヨウ素共に、食品衛生法の暫定基準値以下、または検出されなかった。これにより、福島第1原発から半径30キロ以内を除き、福島県沖合や三陸沖での漁が可能となった。
不安はカツオの北上が遅れていること。漁場は千葉、茨城県沖にとどまっており、気仙沼漁協によると、22日現在、カツオ船の入港予定はなく、再開セレモニーも開かないという。漁協の担当者は「入港がいつになるかは分からない。カツオを見たら、間違いなく市民全員に元気が出るのだが…」とカツオの北上と漁船の入港を心待ちにしている。
県漁連の丸山英満会長は「カツオ船が一番、気仙沼に向かいたいのだろうが、(漁場から遠いなど)経営的な問題があってすぐには難しいだろう。入港に向けて、一つずつ解決していきたい」と話している。
「水産関係者の時計は3月11日で止まったまま」。同漁協の熊谷浩幸魚市場部長は、市場再開を復興に向けた大きな区切りと感じている。最初にがれきの山と化した魚市場を見た時、「いつになったら再開できるのか」と不安になっただけに、気仙沼全体がカツオの水揚げを復興のシンボルと捉えている。
宮城県と気仙沼市は22日、それぞれ、津波によって地盤沈下した水揚げ岸壁200メートルについて、急ピッチでかさ上げ工事を進めた現場の完成を確認。同漁協の職員は、カツオの水揚げを待つ地元水産業関係者からの電話対応に追われた。
同日は、水産庁が福島第1原発事故の影響で操業の自粛を要請していた北緯37度(福島沖)以北の西側でカツオ漁を解禁。21日は東側を解禁している。15、19日に漁獲したサンプルのカツオを調べた結果、放射性セシウム、放射性ヨウ素共に、食品衛生法の暫定基準値以下、または検出されなかった。これにより、福島第1原発から半径30キロ以内を除き、福島県沖合や三陸沖での漁が可能となった。
不安はカツオの北上が遅れていること。漁場は千葉、茨城県沖にとどまっており、気仙沼漁協によると、22日現在、カツオ船の入港予定はなく、再開セレモニーも開かないという。漁協の担当者は「入港がいつになるかは分からない。カツオを見たら、間違いなく市民全員に元気が出るのだが…」とカツオの北上と漁船の入港を心待ちにしている。
県漁連の丸山英満会長は「カツオ船が一番、気仙沼に向かいたいのだろうが、(漁場から遠いなど)経営的な問題があってすぐには難しいだろう。入港に向けて、一つずつ解決していきたい」と話している。