【東奔西走】 宮崎市出身・宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所教授 川崎 繁男さん
2017年11月27日
宇宙探査 技術で支える
「多くの若者に宇宙に携わってほしい」と話す川崎さん
深宇宙探査機に搭載する通信機や、衛星に指令を送る装置などの開発・設計に携わっている。
宮崎大宮高卒。早稲田大大学院を出た後に防衛庁(現・防衛省)で研究職として働いていたが、海外留学制度を利用して米国へ。テキサス大やカリフォルニア大で学んだ。帰国後は東海大、京都大で研究を続け、2008年からJAXAで働いている。
現在取り組んでいるのは、例えばコードレスで充電できるスマートフォンのように、電波でエネルギーを送る無線電力伝送という技術の活用だ。探索した宇宙の情報を無線で地上に送る深宇宙探査機のエネルギーは太陽光のみ。そこで、探査機に無線電力伝送の機能を持たせ、エネルギーを補完しようというわけだ。「実用化も近い」という。
開発に関わった通信機は、「はやぶさ2」と一緒に打ち上げた小型深宇宙探査機「PROCYON(プロキオン)」に搭載されるなど信頼性も高い。
そんな川崎さんは「宮崎の学校から依頼があれば講演にも行きたい。そして、多くの若者が宇宙に携わってほしい」と願っている。
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所広報・普及担当 利岡加奈子さん
地方講演にも積極的
誰とでも同じように接する気さくな方。話題も豊富で、会話をしていて楽しくなりますね。自身の研究に対する愛情が深い証拠だと思うのですが、内容を広く知ってほしいと考えておられ、地方講演にも積極的に出掛けられます。