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【東奔西走】 宮崎市出身・宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所はやぶさ2プロジェクトチーム 三桝裕也さん

2018年8月28日

はやぶさ2を遠隔操作



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はやぶさ2のプロジェクトチームに所属している三桝裕也さん

 32億キロに及ぶ宇宙空間の旅を経て小惑星「リュウグウ」の上空に到着した探査機はやぶさ2。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所(相模原市)に在籍する宮崎市出身の三桝裕也さん(34)=東京都町田市=は、その運用を手掛けるプロジェクトチームのメンバーの一人だ。

 宇宙飛行士の若田光一さんに憧れ、宮崎南高から九州大工学部へ進学。九州大では若田さんも学んだ航空宇宙工学コースに進んだが、「誰も見たことがない宇宙の景色を、探査機を通じて世界で最初に目にすることができる」と探査機の運用に興味を持つようになった。はやぶさ2研究職の募集を受け、九州大大学院を修了後にJAXAへ就職。開発の初期段階から携わることになった。

 2014年12月に打ち上げたはやぶさ2が「リュウグウ」上空約20キロの地点に着いたのは今年6月。初めて目にした「リュウグウ」に「前人未到の領域の景色を最初に目にしているという状況には感動した。ただ、表面は予想以上に多くの岩や石でごつごつしており、タッチダウン(表面に接触)させるのは難しそうだ」との感想を持った。

 三桝さんの役割は、小惑星の重力や太陽光の圧力といった、宇宙空間ならではの微小な力を考慮しながら、はやぶさ2の姿勢や軌道を遠隔操作すること。はやぶさ2を「リュウグウ」にタッチダウンさせて砂や石を採取したり、「ローバー」と呼ばれるロボットを分離させて地表面を観測したりすることが主な活動となる。この運用を、これまでに3回経験しており、うち1回は「リュウグウ」までわずか約850メートルの距離にまで近づけた。観測は1年半ほど続き、今後も出番は回って来る見込みだ。

 三桝さんは「宇宙探査のプロジェクトは10年、20年と長期にわたるので後継者の育成が欠かせない。その中に、同郷の宮崎の後輩が入ってくれるとなれば、こんなにうれしいことはない」と話している。