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眼球に傷視力低下も 都城など「目に灰」続出

2011年2月15日
 新燃岳噴火で降灰が続く都城市を中心に、目に火山灰が入ったと訴え、眼科を受診する人が後を絶たない。中には灰が取れず、視力が一時低下したケースも。医師はゴーグルなどでの予防に加え、痛みなどがあれば早めの受診を呼び掛けている。

 都城市中原町の西元眼科医院(西元久晴院長)は1月26日以降、毎日4、5人が「灰が目に入った」と受診。このうち19歳男性は、上まぶたの裏側に約1ミリの灰が固着して角膜が傷つき、1.2だった視力が一時0.3まで落ちたという。男性は「外の掃除をしていたら突然入った。水で洗っても取れず、まばたきするたびに削れるような激痛があった」。西元院長は「瞳孔の近くに傷がつくと視力が落ちることがある」と説明する。

 被害の状況を把握するため、同市蔵原町の宮田眼科病院(宮田和典病院長)は10日、患者ら来院者110人に聞き取り調査を行った。その結果、これまでに灰が目に入ったのは62人。場所・状況は道路が最も多く、次いで灰の除去作業中、家の庭、駐車場などだった。

 宮田病院長は「灰が入ってもほとんど涙で流れ出るが、乾燥する1~3月はドライアイの人が多い。灰はとがっており、眼球に傷をつけて結膜炎を起こす場合がある」と指摘。「ゴーグルなどで防ぐのが一番だが、もし入って充血や目やにがあったら受診が必要。痛みを伴う場合は、水道水で洗うと微生物による炎症の恐れもあるので受診してほしい」と話す。

【写真】灰が目に入った患者を診察する宮田眼科病院の宮田病院長