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空の便欠航200便超 フェリーも影響警戒

2011年2月4日
 霧島連山・新燃岳噴火に伴い、宮崎空港で欠航が相次いでいる。航空各社は隣接空港への振り替えやバス代負担などで対応。全社合わせすでに200便以上が欠航になり、「業界にとっては口蹄疫を上回る厳しさ」(日本航空)という深刻な状況になっている。カーフェリーも旅客輸送や貨物輸送減少への警戒感が徐々に増している。

 日本航空(JAL)は先月26日から欠航が相次ぐ。宮崎支店(矢崎昌二支店長)によると、発券便の変更や取り消しを手数料無しで行うなどして対応。欠航便の予約客が鹿児島空港を利用する場合、バス代も負担している(4日まで。以降は検討中)。

 予約キャンセルも目立ち、3日は前年同日比で10%以上も予約が減少。矢崎支店長は「(この状況が)あと数日続けば、欠航は100便を超える。業界にとっては直接的な被害で口蹄疫のときよりも深刻」と表情を曇らせる。降灰で機体が損傷しないように宮崎空港での夜間駐機を避けている影響もあって、初便や最終便に欠航が多いという。「今後は降灰の状況を見て滞在させる」と矢崎支店長は話す。

 全日空(ANA)は先月26日から3日午前までに58便が欠航となった。4日までは、宮崎空港発着便の航空券を購入した客は鹿児島空港でも利用可能(以降は未定)。両空港間の無料バスもANA側が用意して運行している(4日まで)。

 便によっては、鹿児島空港の機材を大型化して利用客増加に対応。宮崎支店(飯田寛之支店長)の永田浩基マネジャーは「予約キャンセルも増えている。先の見えない状況だが、安全を第一に利便性確保に努力していく」と話す。

 スカイネットアジア航空(SNA)は先月27日から3日までの欠航が35便。約3500人に影響が出た。目的地変更は3便で影響人数は約210人。熊本、鹿児島、大分など隣接空港への予約客の振り替えなどで対応している。伊東正孝社長は「噴火に加え、風向きによって日々刻々と状況が変化している。台風などと違って便ごとの対応にならざるをえない」と現状の困難さを説明。「今は西風だが春はどうなるか。推移を見守りながら欠航便を少なくするよう努力していきたい」と長期戦も覚悟する。

 宮崎カーフェリーは例年2~6月、約5千人の韓国岳や高千穂峰への登山客利用がある。しかし、今回の噴火ですでに約300人のキャンセルが出た。黒木政典社長は「この時期は大手エージェントが組んだ登山ツアーが多く、どこまで影響が出るか心配。また、都城周辺では野菜が被害を受けており、貨物の主力である野菜輸送が厳しくなるだろう」と予想する。

 一方で「飛行機の欠航で、大阪に修学旅行に行った中学生に、フェリーで帰ってきてもらった。また、災害時は救援物輸送など海上輸送手段としての重要な役割も果たしていく」と協力体制を惜しまない姿勢も示している。

【写真】新燃岳の噴火に伴い、欠航が相次ぐ宮崎空港=3日