土砂災害
土砂災害への備え
台風14号による土砂災害の行方不明者を捜索する自衛隊員=2005年9月7日、椎葉村下福良
2005年9月、宮崎県を襲った台風14号では、高千穂町や椎葉村などで発生した土砂崩れで、合わせて11人が死亡するなど、大きな被害が発生しました。椎葉村で被災した男性は当時のことを、こう振り返っています。
「『ドドドドッ』というけたたましい音を聞いた。直後にズシンズシンと家が揺れた。急いで2階に上がり窓を開けると杉の大木が自宅に倒れていて、次の瞬間、2階部分が1階を押しつぶした。ここにずっと住んでいるが、土砂が崩れてきたのは初めて。安全な地域だと思っていたのに」―。
無数の大木をなぎ倒し、家々を飲み込む土砂災害は予測が難しく、近年は局地的な集中豪雨などにより、全国でも被害が相次いでいます。県内の土砂災害危険箇所は約11,800カ所。災害から身を守れるよう、日ごろから備えておきましょう。
■土砂災害から身を守るためのポイントは3つです。
- 1. 自分の住んでいる場所が「土砂災害危険箇所」か確認する
- 2. 雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意する
- 大雨による土砂災害発生の危険度が高まった時には「土砂災害警戒情報」が発表されます。テレビやラジオの気象情報、現在ご覧いただいている「防災みやざき」でも確認できます。
雨が降り出したら、これまで降った雨の量や雨雲の動きとともに、土砂災害警戒情報に注意しましょう。
- ○土砂災害警戒情報(気象庁ホームページ)
- ○土砂災害警戒判定メッシュ情報(気象庁ホームページ)
- ○宮崎県の雨量・河川水位観測情報
- 土砂災害警戒情報などが発表されていない場合でも、斜面の状況には常に注意を払い、普段と異なる状況(土砂災害の前兆・予兆現象)に気が付いたら、周りの人と安全な場所に避難するとともに、市町村役場などに連絡してください。
- 3. 早期に避難する。夜間に大雨が予想される場合は暗くなる前に避難を
- 土砂災害警戒情報が発表されたら、早めに安全な場所に避難しましょう。お年寄りや障害のある人など避難時間がかかる人は異動時間を考えて早めに避難させることが大事です。
土砂災害の多くは木造の1階で被災しています。どうしても避難が難しい時には、必ずしも安全とはいえませんが、近くの頑丈な建物の2階以上に移動するか、家の中のがけから離れた部屋や2階などに避難しましょう。
■土砂災害の前兆(予兆)現象
土石流や地すべり、がけ崩れなどの土砂災害には前兆(予兆)現象と呼ばれる「前触れ」があることが知られています。以下のような現象に遭遇した時は、すぐに避難を始めてください。
- 湧水の量が増す
- 立木の裂ける音や大きな岩の流れる音が聞こえる
- 渓流の流水が急激に濁りだしたり、流木などが混ざっている
- 異様な山鳴りや異様なにおい(土臭い、ものの焼けるにおい、酸っぱいにおい、木のにおいなど)がする
- 斜面に亀裂ができる
- 小石が斜面からパラパラと落ちだす
- 斜面から異様な音、地鳴りが聞こえる
- 地鳴りがする
- 地面が振動する
- 湧水や井戸の水に濁りが発生する
【参考ページ】