降灰量ドローンで調査　国交省が新燃岳、硫黄山観測

2019年11月6日

　国土交通省は小型無人機「ドローン」を使って火山の降灰量調査を行うためのマーカーを開発し５日、新燃岳と硫黄山火口近くに設置した。空中でマーカーを撮影し、その画像から降灰量を測る。遠隔地から安全、迅速に降灰量を把握でき、土石流発生の危険がある市町村にとって避難指示を出す際の判断材料につながるという。

　新湯温泉（鹿児島県霧島市）南側と、えびの高原ビジターセンター（えびの市）北西側にある自動降灰量計の敷地内に配置した。阿蘇山（熊本県）にも既に２カ所設置済み。観測に使いながら耐久性を調べる。

　マーカーは５０センチ角のアルミ板に高さ１センチの円柱、２センチの三角柱、３センチの四角柱が各３個付いている。側面を円柱は赤、三角柱は青、四角柱は黄色に塗り分けていて、色の見え方で降灰量を１センチ刻みで計測する。３センチ以上の降灰に備え、最大８０センチ測れるゲージ４種も設置した。

　新湯温泉近くで同日あった説明会には同省職員４人が参加。同省九州地方整備局九州防災・火山技術センターの熊井教寿課長は「電子機器より格段にコストが低く、電気も使わず設置場所を選ばない。耐久性が確認できれば全国の火山に配置したり、新燃岳周辺にも複数設置することで、観測精度が向上したりする」と話している。

【写真】降灰マーカーを前に説明する国交省九州地方整備局の職員＝５日午後、鹿児島県霧島市の新湯温泉近く

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