ＡＩで災害情報整理　ＬＩＮＥ活用、日向で九州初実験

2019年11月18日

　日向市で１７日、無料通信アプリで報告した災害情報を人工知能（ＡＩ）が収集、整理する実証実験が行われた。内閣府が進める研究開発の一環。消防団が市内各地から送信した投稿からＡＩが住所や災害の内容などを抽出し、市の災害対策本部会議に伝えられた。実験は九州で初めて。

　実験は南海トラフ巨大地震と、地震に伴う津波を想定した同市総合防災訓練に合わせ、ウェザーニューズ（本社千葉市）などが実施。同市消防団が無料通信アプリＬＩＮＥ（ライン）の専用アカウントに対し、市内各地から「土砂崩れが発生」「火事になっている」など約１５０件を投稿した。

　投稿は市役所の災害対策本部で受信し、文章からＡＩが住所や災害の状況を自動で抽出、地区別に分けられ大型スクリーンに映し出された。投稿がない地域もあり、市職員は孤立の可能性があると判断、幹部に状況を伝えていた。

　同市防災推進課は「従来の電話を使った情報収集では時間がかかる。同時多発の情報を収集しやすくなるのが利点と感じた」と話していた。

【写真】ＡＩを活用した災害情報収集実証実験に臨む職員ら＝１７日午前、日向市役所

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