津波避難高台の供用開始 3千人超収容、県内最大 宮崎市・一ツ葉地区
2020年10月2日
南海トラフ巨大地震の津波被害に備え、県が宮崎市のみやざき臨海公園・一ツ葉地区に整備を進めてきた津波避難施設(通称・命の丘)が完成し、1日から供用が始まった。長さ212メートル、幅18メートル、高さ13・5メートルの高台に3280人の収容を見込んでおり、県が管理する沿岸の避難施設としては県内最大規模となる。
宮崎港周辺で3カ所目の「命の丘」として2017年5月に着工し、通常はベンチとして利用できる災害用トイレ計16基や、夜間でも安心して避難できるようLED照明も整備。事業費は5億7700万円で、国の防災・安全社会資本整備交付金を活用した。
県は11年の東日本大震災を受け、同港周辺の事業所に勤務する人や、マリーナ周辺の利用者などの安全を確保するため、ハード対策に着手。16年10月に同港東地区南側に高さ13・5メートル、翌年3月に同地区北側に同13メートルの「命の丘」が完成。一連の事業により、計約5千人の避難者が受け入れ可能となった。
県危機管理課によると、県内の沿岸自治体では避難高台や避難タワーの整備が進んでおり、宮崎、日向市などで計25カ所(1日現在)が完成している。
県は現在、宮崎市のひなた県総合運動公園に盛り土高台2山と避難デッキ6基を整備中で、来年度の完成を目指している。
【写真】みやざき臨海公園・一ツ葉地区で供用が始まった高さ13.5メートルの「命の丘」=1日午後、宮崎市新別府町(ドローンで撮影)
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