子ともの熱性けいれんについて

愛甲浩志

2016年08月18日掲載

子どもに多くみられる体質
大人になると起こらない

熱性けいれんは日本人の子どもに多くみられる(子どもの約10人に1人)体質です。体質であって病気ではありません。なぜ、体質かというと、大人になっても熱性けいれんを起こす人はいませんよね。熱性けいれんは小学校に入学するころには、発熱しても自然に起こらなくなります。体質は似るので、両親のどちらかが小児期に熱性けいれんを起こしたことがあるとなりやすいでしょう。

生後6カ月から6歳の子どもに起こりますが、初めて熱性けいれんを起こした子どもが2回目を起こす可能性は3分の1程度といわれています。1 回だけで終わる可能性は3分の2といえるので、繰り返すことは意外と少ないのです。

まれに熱性けいれんを何回も繰り返す場合がありますが、普通の型の熱性けいれん(①けいれんの持続時間が15分以内 ②左右対称のけいれん=右半身または左半身だけではない ③24時間以内に2回以上反復しないという3つの条件を満たす)であれば、何回起こしても発達に悪影響を及ほすこともなく、てんかん(熱がなくてもけいれん発作を繰り返して起こす病気)に移行する確率も高くならないといわれています。

知っておくべきポイント!
けいれんの状態を見極めて

熱性けいれんが起こった場合に、大事なポイントとして次のようなことを知っておく必要があります。先ほど述べた普通の型の熱性けいれん(①けいれんの持続時間が15分以内 ②左右対称のけいれん=右半身または左半身だけではない ③24時間以内に2回以上反復しないという3つの条件を満たす)であれば心配ないのですが、普通の型の熱性けいれん以外の場合は、夜中でも必ず小児科医の診察を受けることが必要です。それは、発熱を伴ってけいれんが起こる場合、そのほとんどは熱性けいれんですが、ごくまれに脳にウイルスが入って病気を起こす「脳炎」や、脳にばい菌が入って病気を起こす「髄膜炎」という命に関わるような病気も混ざっています。そのため、普通の型の熱性けいれん以外の発熱を伴うけいれんの場合はなるべく早い小児科受診が必要です。

MEMO

熱性けいれんとは?… 日本人の子どもに多く見られます。普通の熱性けいれんは無害ですが正しい知識を持つておきましょう。


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