身に付けた技術や経験、感性を生かす職業 見た人に喜んでもらえる1枚を
2025年01月04日掲載
武本 華江さん
フォトグラファー
宮崎市内のスーパーマーケットの商品やホテル・レストランの料理、建築物、七五三などハレの日の撮影など多岐にわたり活躍するフリーランスのフォトグラファー・武本華江さん。
写真の魅力にはまったのは、高校生の時。入部した写真部の活動で、学生服姿の応援団を撮影した1枚が、県の高等学校総合文化祭写真部門で金賞を受賞。県代表として参加した全国大会で、写真界の巨匠、故・植田正治氏のワークショップで感銘を受け、写真家への道を志すことを決意。その後、日本大学芸術学部写真学科へ進学し、専門知識を学びました。卒業後はアパレルへ就職。輸入衣料品を扱う華やかな業界で、数年の経験を積み宮崎へ帰郷。商業カメラマンのアシスタントとして現場で働き、技術を身に付けていきました。県内で発行する情報誌の表紙撮影に起用されたことをきっかけに、武本さんへ撮影の依頼がくるようになり、独立してプロとしての一歩を踏み出しました。
人との出会いに恵まれ支えられて続いている
「独立したばかりのころ、現場で失敗してしまい、悔しくて泣きながら街中を歩いたのも、今となっては懐かしい思い出です。その悔しさを原動力に、努力を重ねてきました」と話す、武本さんの仕事への真摯(しんし)な姿勢や情熱が信頼を育み、現在の新たな出会いや仕事へとつながっています。
料理の写真を撮るのが好きだそうです。広告写真では、お客さまの商品・料理がより良く見え、イメージに合うような仕上がりにするため、さまざまな準備や工夫、丁寧な撮影を必要とします。依頼主であるクライアントや、制作に携わるスタッフの人たちと一つのものを作り上げていくという過程にも、魅力や楽しさを感じます。「仕上がりを見て、お客さまが喜んでくれ、利益につながるととてもうれしい。そんな瞬間がフォトグラファーとしての喜びです。体力勝負な仕事なので、今は自分との戦いです。いただいた仕事をしっかりと続けられるよう、体を鍛えつつ、これからも丁寧に1枚1枚と向き合っていきたいです」と、プロとしての決意を話しました。