「女将」や「老舗」のイメージに とらわれず日々新しい事に挑戦

2024年08月01日掲載

薗田 有美さん

「旅館 小戸荘」 三代目女将

宮﨑市

 県内外から多くの著名人やプロスポーツ選手などが通う『旅館小戸荘』は、70年以上の歴史をもつ老舗。その老舗旅館で生まれた薗田有美さんは、三代目女将として、日々多くの人をもてなしています。

 学生の頃は家業を継ぐつもりはなかったという薗田さん。短大・専門学校を卒業後は、出版社に勤めていました。企画や営業など、多忙な日々を過ごしながら宮崎の事を調べたり、さまざまな人と出会って話したりする中で、小戸荘が多くの人に認知されていることを知ったといいます。それをきっかけに気持ちに変化が生じ、家業を継ぐことを決心。27歳の時に小戸荘へ戻りました。

自身の直感とひらめきで幾多の困難を乗り越える

 女将になって以降は、リーマンショックや新燃岳の噴火、口蹄疫、新型コロナウイルスなど、大きな困難が多々あり、旅館の存続が危ぶまれることもありました。しかし、宮崎県自治会館食堂の人気メニューであるハヤシライスを復刻して、空港や自動販売機で販売したり、キッチンカーを始めたりするなど、その都度自身の直感とひらめきを信じてチャンスを手探りでつかみ、持ち前のコミュニケーション力と前職で培った企画力を駆使しながら困難を乗り越えてきたといいます。

 「キッチンカーでは、私自身が店番をしてハヤシライスを販売していたのですが、中には“女将さんが店番しているの?”という声もありました。でも私自身、女将だとか旅館だとか老舗だとか…そういうものにこだわりがなく、おもしろそうな事や興味がある事はなんでもやっていきたいという感じでしたね」と話します。

 「今もいろいろ考えていて、数年前にやっていた、心と体を整える“女将のビューティーレストラン”を9月20日に復活させます。小戸荘に来てくれた人が笑顔になれるような企画はもちろん、女性が元気になれる企画も積極的にやっていきたいです」と、小戸荘と絡めた新たな企画も考えている薗田さん。「女将」や「老舗」という先入観にとらわれず、自身の直感を信じながら、これからも新しい事に挑戦していきます。

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