フードバンク事業から子ども食堂の 運営まで…食で子どもを支える
2024年04月04日掲載
長友 宮子さん
『一般社団法人LALASOCIAL フードバンクみやざき』代表理事
フードバンク事業や子ども食堂だけでなく介護事業でも活躍する長友宮子さん。数々の経歴の中でも、福祉に携わりたいという思いは一貫しています。
高校を卒業後、福岡県にある食に関する学校に進学し、管理栄養士の資格を取得。飲食店での勤務を経験した後、帰郷し障害者施設で働きます。指導員として関わる中で、福祉に関わる仕事を一生の仕事にしたい、という気持ちが芽生えました。その後、勤め先の児童養護施設でわが子と同年齢の子どもたちと接して衝撃を受け、虐待のない社会を地域で支える仕組みつくりをしたいと決心。子育て世代の家庭を支援するNPO法人を立ち上げました。
現在は、介護サービス事業と並行して『フードバンクみやざき』の代表を務める傍ら、民生委員やPTA活動など地域の活動にも積極的に携わっています。
支援した子どもの成長がやりがいにつながる
『フードバンクみやざき』は、生活困窮者に対して食支援を行ったり、県内の子ども食堂へ食材を振り分けたりなどの機能を担っています。
「物価高騰やコロナの影響で今まで普通に生活できていた世帯が貧困に陥っている。そのため、支援が必要な家庭へ普及する食材や子ども食堂で使用する食材が足りていないんです」と話す長友さん。唯一、ほっと落ち着けるのはわが子とのご飯やお風呂の時間くらい。それ以外の時間はフードバンク事業や子ども食堂で使用する食材の調達、補助金の申請などで毎日奔走しています。それでも、関わった子どもたちの、元気に成長した姿を見ると“この活動をやっていて良かった”とうれしくなり、やりがいにつながるのだそうです。
「宮崎では虐待の中でも育児放棄、いわゆるネグレクトが多いといわれており、背景にある要因のひとつとして、経済の問題が上げられているそうです。今後は、食のことはもちろん、さまざまな支援者や団体ともっと繋がって協力しながら、一人でも悩みのある子どもを少なくしたいです」と思いを熱く語る長友さん。子どもと親が幸せになれる社会づくりを目指し、これからも食を通してさまざまな活動に尽力していきます。