おしりからの出血! 痔と思っていませんか

宮崎県医師会 外科医会 佛坂正幸

2024年10月17日掲載

 おしりからの出血は下血・血便などがあり、おしりをふいた紙に血がつく、便に血がついている、排便のあとにポタポタ血が落ちてくるなど、さまざまな症状があります。おしりから出血がみられた時、まっさきに「痔」と考える方が少なくないと思います。しかし、原因が大腸がんだったという場合も少なくありません。大腸がんの手術を受けた患者さんのうち、おしりからの出血をきっかけに大腸がんと診断されるケースが多くありました。特に大腸の中でも、おしりに近い直腸のがんでは受診動機がおしりからの出血だったケースは46%と半数を占めています。

”がん家系” じゃない患者さんは約70%

 多くの大腸がん患者さんは、“がん家系”と関係がありません。なんらかの遺伝性素因がある方は約30%とされており、残りの70%は、遺伝性素因はないとされています。大腸がんの危険因子として、食事の欧米化(高脂肪食)、運動不足、肥満、糖尿病などがあげられます。遺伝性素因のある方の大腸がんリスクは遺伝性素因のない方に比べて、さらに高くなります。遺伝性素因のある大腸がんの中に、高頻度に家族内に大腸がんやその他のがんを発生するリンチ症候群があります。リンチ症候群は全大腸がんの約4%とされ、50歳未満で診断された大腸がん、第2度以内の近親者の2人以上が大腸がん、子宮内膜がんなどが家族内でみられた場合に疑われます。

大腸の検査はかかりつけ医や消化器科、胃腸科へ相談を

 大腸がんを診断するための大腸検査は、おしりからカメラを入れる大腸内視鏡検査、おしりからバリウムを入れる注腸造影検査があります。県内には、熟練した消化器科医や内視鏡医が数多くいらっしゃいます。おしりから出血があった場合には、かかりつけ医またはお近くの消化器科、胃腸科の先生への相談をお勧めします。

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