尿路結石症

宮崎県医師会 泌尿器科 小林隆彦

2025年01月16日掲載

 尿路結石症は尿を作って体の外に出す臓器、腎臓、尿管、膀胱に石ができる病気です。世界的にみるとアジアで患者さんが多く、日本でも罹患者が増えています。男性では50歳代、女性では60歳代が多く、一生の間に男性ではおよそ7人に1人、女性ではおよそ15人に1人がかかる病気です。

 主な症状は血尿と痛みで、結石が移動するときに腎臓や尿管の粘膜を傷つけ、赤いおしっこ(血尿)が出ます。尿管に結石がつまり尿の流れがせき止められて腎臓が腫れる(水腎症)と、背中や腹部に痛みを感じます。また、尿管がけいれんを起こすと、下腹部に痛みを感じます。痛みは疝痛(せんつう)と呼ばれるかなり強い痛みで、夜間や早朝に急に出現することが多く、救急車で病院に運ばれる場合もあります。

 病院を受診したら、まず飲み薬などで痛みを和らげた後に検尿、レントゲン(腹部単純写真、断層写真:CT)、超音波検査などを行います。結石の大きさや場所、予想される硬さ、腎臓の腫れ具合(水腎症の程度)などで治療方針が決まります。

 一般的に10mmまでの大きさの結石は自然に出ることが多く、痛み止めを使いながら経過を見ていきます。ただし、小さくても痛みが強いときや10mmを超える結石の場合は手術をするか相談となります。

治療は、衝撃波やレーザーを使って行う
 
 以前はお腹をあけて結石を取り出す開腹術が行われていましたが、現在は対外衝撃波による手術、内視鏡を使用する手術が行われています。対外衝撃波の手術は、放電によって衝撃波を発生させて結石にぶつけて割る治療法です。結石を小さくすることで、痛みを軽くして石を出すことができます。結石が大きいときや、結石が硬くて衝撃波で割れないときは、内視鏡を使ってレーザーで結石を割り、摘出する手術が行われます。

 尿路結石症は誰でもかかる可能性がある病気です。お腹や背中の強い痛み、赤いおしっこが出たら泌尿器科を受診しましょう。

MEMO

腎臓や尿管、膀胱に結石ができる病気


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