幼いころ、「絵を勉強したいならヨーロッパへ行った方がいい」と祖母に教えられて以来、外国で絵を描く自分の姿をずっと夢見てきた。第22回県美術海外留学賞のパリ行きを射止め、夢をたぐり寄せた。「写実的でモダンな絵を描きたい。パリでどんな絵が見られるのかとても楽しみ」と、芸術の都で過ごす日々に心を躍らせている。
曽祖父や祖父母が絵が好きで、物心ついた時から身の回りに絵があふれていた。自然と絵が好きになり「いつかここに自分の作品も飾りたいと思った」と振り返る。小、中、高校と美術クラブや美術部で活動。現在は週1回、宮崎市内の絵画教室で6時間ほど絵に向かっている。休憩はほとんど挟まない。「絵だけに熱中していて、ほかに何も考えていない時間が一番楽しいから」と笑う。
宮崎東高2年のとき、宮日総合美術展の絵画部門で入選。以来出品を続けている。その宮日美展に留学賞チャレンジ部門が創設されたときは「自分のためにできた」と思えた。海外へのチャンスをつかむため応募を続けてきた。
本を読み、音楽を聞き、自然に触れることで絵のヒントを得ている。やってみたい画法があれば何でも挑戦する。次々と変化していく作風の中に、審査員は未来を感じ取った。
絵の勉強以外に、パリの美しい風景を趣味のカメラに収めるのも楽しみにしている。「いつか自分のギャラリーを開き、作品を飾ったり、絵を教えたりしたい」と将来を思い描く。宮崎市橘通東で両親、2人の兄と5人暮らし。21歳。