「35年近く続く活動に責任の重さを感じる。石井記念友愛社、石井十次の会、自治体、学校、地域との連携を大切に、先輩方の熱い思いを次代に受け継いでいきたい」。25日の就任当日にあった評議委員会で、いつもの穏やかな口調で謙虚に抱負を語った。
高鍋町出身。高鍋高で美術部に所属、「質感、立体感にひかれた」という彫刻にのめり込み、宮崎大教育学部美術科に進学。1971(昭和46)年に美術教師として宮崎市・大淀中に赴任した。
石井十次顕彰のつどい(顕彰会主催)で児童が毎年劇などを発表する高鍋西小の校長などを歴任、2006年4月から同町教育長を3期。教育長時代は顕彰会運営委員も務めるなど、会の取り組みにさまざまな立場で携わってきた。「石井十次先生と、数々の物語は地域の財産。この地で育つ子どもたちの誇りや自信になる」 活動で心掛けたいこととして「十次先生を手の届かない存在にしないこと」と言う。「その実行力や正義感、思いやりの心など、子どもたちが実践、見習うことができる身近なお手本として、普段の頑張りを引き出す伝え方をしたい。優しい気持ちで周囲と接するなどの積み重ねが、十次先生のような尊い生き方につながる」 幼いときから魚釣りが好きで「趣味は自然と遊ぶこと」。数年前から水槽で水草と熱帯魚を飼育するアクアリウムを楽しむ。1974(同49)年に宮日美展彫刻部門特選。2014年7月から高鍋町美術館長。息子3人は独り立ちし孫4人。同町北高鍋に妻と暮らす。70歳。