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宮崎日本大学学園理事長に就任した 吉良 啓(きらけい)さん

2016年12月28日
 宮崎日本大学学園の6代目理事長に就任した。日本大法学部出身の縁や人柄も買われ、同学園理事を歴代最長の40年間務めた経歴の持ち主。中学、高校合わせて約1700人の生徒が在籍するマンモス校のトップとして「進学、就職、部活動全てに力を注ぎ、中学、高校とも県内一の学校にしたい」と意気込む。

 大学卒業後、7回目の挑戦で司法試験に合格。1968(昭和43)年に県弁護士会に登録、同会会長も務めた。91年に藍綬褒章、2013年には旭日小綬章を受章した。

 西米良村出身。「田舎は人間関係が濃く、その分、社会を知ることができた」。戦後は貧しく、弁当のない生徒もいて「背景にある社会問題に関心を持つなど、物事の本質を考える機会も多かった」と振り返る。

 中学時代、先生に物を盗んだと疑われたことがあり反発した時期もあった。しかし、「社会に出たらちゃんとしよう」と考えて大学では勉強に励み、そのことが今に生きているという。

 「こんな自分が真面目に勉強をしなさいと言えるかな」と冗談交じりに話すが「情熱だけはある」と言うように、子どもを思う気持ちは人一倍熱い。戦後、読みたくても本がなかった経験から、2年前まで40年間、母校西米良中に本を寄付し続けた。同校では「吉良文庫」と命名され、蔵書は430冊以上に上る。

 若い頃は酒が大好きで「焼酎は浴びるほど飲んだ」。趣味は囲碁。「高校で囲碁同好会をつくろうかな」と豪快に笑う。宮崎市新別府町の自宅に妻と暮らす。80歳。

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